前回記事はこちら ↓
もくじ
『Engrish』はこちらのサイトです(英語のみ)。
Engrishは、世界のさまざまな場所で見つけた「ヘンな」英語を投稿するサイト。
アメリカンジョーク特有の皮肉的な部分を学ぶには、なかなか良い教材となります。
前置きは短くして、早速世界各国から投稿された「ヘンな」英語たちを紹介していきます!
まずは写真をよく見て、どこがおかしいのかを考えてみましょう。
そのうえで、正しい英語はどうするべきかも考えていくと勉強になりますよ。
投稿されたオリジナルのタイトル・日本語訳とともにお届けします。
① 404 Barber not found. コード:404 お探しの理髪店は見当たりません。
中国の理髪店の看板には、なぜかこちらの英文が。
Could not connect to translator service.
翻訳者サービスに接続できませんでした。
推測すると
店名を英訳しようとして翻訳サービスを開く
→何らかの理由で接続できず
→出力されたエラー表示を訳文だと思い込んでそのまま発注
といったところでしょうか…
② Then say someone made you do it… 「誰かにそうさせられた」と言えばいいのか…。
こちらも中国の公園にて。
Take the child, fall into water carefully.
子供を手に取り、気をつけて水に落ちてください。
この標識の言うことを素直に従ってしまい、事故を起こした人がいないことを願います。
恐らく「子供をお連れの方は(If you bring children)、水に落ちないよう気をつけてください(Please take care not to fall into water)」と伝えたいのではないでしょうか。
③ If the flames don’t get ya, the explosions will… 炎に負けず、爆発に負けず…。
またまた中国から。
Hand grenade(手榴弾)。
火には火をもって立ち向かうのがこの建物のやり方なんですかね。
④ I always wondered where the Grinch lived… グリンチがどこに住んでいるのか、いつも気になってたんだ。
マレーシアから。インターフォンを押す人に向けたメッセージのようです。
All of you listen to me, don’t disturb here, I will call police catch you, don’t come to my bangolow house, understand, O.K. I hate all of you.
皆よく聞け。ジャマをするな。さもないと警察を呼ぶ。俺のバンガローに近づくな。分かったか。
お前ら全員大嫌いだ。
タイトルにある「グリンチ」とは、アメリカからメキシコに逃げて来た犯罪者のことを指します。
ちなみにバンガローのスペル、正しくは bungalowですね。
人間不信におちいっている様子のオーナー。
過去にどんな嫌な思いをしてきたのでしょうか。
⑤ Instructions for the tourist… 旅行者へのご案内
マレーシアのショッピングモールから。
If the tourist has heart disease, infection diseaese, psychosis disease, stupid desease.
Any disease is forbid to play in it.
観光客が心臓病・感染症・精神病・馬鹿な病気を持っている場合。
どんな病気でも遊ぶのは禁止されています。
stupid desease とは、だいぶ強引な言い方ですね…。
どんな病気が該当するかは自己判断となりそうです。
⑥ I’m not looking forward to this. これは楽しみにできない。
次は中国のホテル内、朝食ビュッフェから。
Various types of dread
さまざまな種類の恐怖。
dread は恐怖・不安という意味。
私ならフタを開ける勇気はないですね。
正解はもちろん bread (パン)でしょう。
⑦ Grow hands in designated areas only. 指定された場所でのみ手を育ててください。
つづいて日本の水族館から。
Please do not grow a hand in a fence.
フェンスに手を生やさないようにしてください。
grow は 育てる・生育する。
日本語が分かるぶん推測しやすいかと思いますが、恐らく「伸ばす」の英語を検索してこのようになった気がしますね。
⑧ When they start walking… 歩き始めたあたりで…
次も日本から。
朝食ビュッフェのはちみつコーナーにあった注意書き。
Do not eat infants under 1 year old, there is a risk of infant botulism.
1歳未満の乳児を食べないでください。乳児ボツリヌス症の危険があります。
設置場所と文脈を読めば、もちろん内容は伝わっているはずです。
「Do not make infants eat」 とすれば使役になり、より良いですね。
受け身や使役の文型は、日本語でも難しいもの。大目に見ていきましょう。
⑨ Can you fix this curtain, too? カーテンも直してくれる?
次はタイのレストランのメニューから。
a lampshade is broken.
ランプシェードが壊れてます。
管理人宛のメッセージを間違えて翻訳してしまったのでしょうか。
上のほうにある 「the spicy lemongrass soup is」や「Chinese snake head fish uncle(蛇の頭の魚おじさん)」
といったメニュー名も怪しいので、精査が必要かと思われます。
⑩ Hey, you gotta do your part… おい、自分の役割を果たしてくれ…
中国、上海の交通保安局にて。
If you are stolen, call the police at once.
誘拐された場合には、すぐに警察を呼んでください。
タイトルの突っ込みが入るのも致し方ないですね。
警察を呼べる状態であれば誰もが呼びたいはず。
恐らく伝えたいのは
In case of theft (盗難に遭った場合) といったところでしょう。
⑪ No pissing… 小便しないで…
日本から。
六本木のエレベーター内にあった注意書きだそうです。
No pissing on the security camera.
監視カメラには小便しないでください。
日本語的に行間を読んで「on the security camera」だけで通じると踏んだのかもしれませんが、
運悪く前の文とつながってヘンテコな表示となってしまいました。
「It is recorded by security camera」のほうが分かりやすいですね。
エレベーター内の監視カメラはかなり高い場所にあるはずなので、なかなか難しそうです。
⑫ English textbook from China 英語の教科書 in チャイナ
私が生徒の立場であれば、『English』のつづりを間違えている教科書は信用できないですね…。
⑬ You’ll block traffic 交通の妨げになります。
台湾より。
dying right here is strictly prohibited.
ここで死ぬのは厳禁です。
不思議なのですが、こちらは前回記事と同様「dining here (ここで食事をする)」との間違いのように一見すると思われます。
しかし原文の漢字を見ると、英訳が間違っていたわけではないようです。
元サイトのコメント欄でも同様の指摘があり、「ストリートアートでは?」という説が有力の様子。
⑭ Failure to understand Japanese is no excuse. 日本語を理解できないことは、言い訳にならない。
京都の世界遺産、二条城から。
こちらは一見するとどこがおかしいか分からないかもしれませんが、ここはぜひ外国人になったつもりで
考えてみてください。
&%’#”’&?@>(理解不能の文字列)のあと、唐突に
Thank you for understanding(ご理解ありがとうございます)。
日本語の読めない外国人にとっては何がNOTICE(お知らせ)なのか、何を理解すればいいのかまったく分からない状態に陥るはずです。
ちょっと配慮が足りなかったですね。
⑮ It’s too big to be a mosquito… 蚊にしては大きすぎる…。
中国のホテルから。
Please close the door and window at night to prevent flying reptiles.
飛んでくる爬虫類を防ぐため、夜間はドアと窓を閉めてください。
あまり馴染みのない reptiles という単語は、「爬虫類」という意味。
ちなみにflying reptile をググってみたところ、このような結果が出ました。
窓を閉めないとうっかり入ってきてしまう生物にしては、大きすぎるようです。
⑯ Because alcohol and gasoline do mix. アルコールとガソリンは混ざりますから。
日本の飲食店にて。
Don’t drink a car under the influence of alcohol !
お酒の影響があるとき、車を飲むのはやめましょう!
いくら酔っぱらったからといって「車を飲もう」と思う強者はいないはずですよね。
単純に「drive 」との間違いかと思われます。
⑰ Try “sorry”… 「sorry」と言ってみるのはどうだろう。
日本のスーパーマーケットから。
I really don’t know how to apologize to you. Please move to other cash registers.
私はあなたにどうお詫びしたらいいのか、本当にわかりません。他のレジに移動してください。
日本語をそのまま英訳したところ、外国人からすると「?」となってしまった例です。
謝罪の仕方が実際に分からないと思われ、「えーと、sorry で良いと思うけど…」という反応を相手に与えます。
考えてみると「申し訳ございません」という言葉も「弁解のしようがありません」という意味なので、
日本語には英語にはない婉曲表現が多いですね。
⑱ Then open the door to turn the knob. じゃあ、ノブを回すためにドアを開けよう。
最後も中国より。
Flush toilet to push a button.
ボタンを押すためには、トイレを流してください。
to 不定詞は「~するために」。
この説明だとボタンを押すのが目的、トイレを流すのが手段となります。
水を流すことにより「ポコン」とボタンがへこむ感じでしょうか。
さて、今回はEngrishの続編ということで、『街で見つけた面白い「ヘンな」英語18選』をお届けしました。
いかがでしたでしょうか。
前回と比べて変化球的なネタが多かった印象ですが、ちょっとしたスペルミスで意味が180度変わってしまうのが英語の怖さ。
今回もビジネス目的で発行されたものばかりでしたね。
「どうせ誰も英語なんて分からないし」と適当に英訳を済ませてしまった結果が、こういったサイトに載り世界へ発信されることに繋がったのでしょう。
ぜひ皆さんには細部まで気を抜かず、ご注意いただきたいという教訓をもってこの記事を締めくくりたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!