英語の語順は日本語とちがうんだよね。
その順番にぜんぜん慣れないんだけど、どうしたら上手く文が作れるようになるんだろう。
そうですね。
英語と日本語は、語順・発音のいずれも正反対というくらい異なっています。
ぴよさんは、学校で習った5文型は覚えていますか?
うーん、SとかVとかのやつだよね。
習った記憶はあるけど、どれが何文型で…とかは忘れたなぁ。
分かりました。
ではその基本5文型を復習しつつ、英語の語順に慣れる方法をお伝えしていきましょう!
- 英語の語順に慣れず困っている
- 英語の文法をザッと復習したい
- かんたんな文をサッと作れるようになりたい
もくじ
そもそもなぜ、そしてどのように日本語と英語の語順は異なるのでしょうか。
3つの観点からお伝えしていきます。
1. それぞれの語順の分類
日本語はSOV型に分類されます。
わたしは | 英語を | 勉強します。 |
S(主語) | O(目的語) | V(動詞) |
という語順ですね。
対して英語はSVO型です。
I | study | English |
S(主語) | V(動詞) | O(目的語) |
ちなみに他言語では、ヨーロッパ諸国の言語や中国語がSVO型に属します。
日本人が英語学習を苦手とする理由のひとつに、この根本的な語順の違いがあるというわけですね。
そっかー…日本語と英語はぜんぜん語順がちがうから、スペイン語やイタリア語話者にくらべて切り替えが難しいんだね…。
ぼくもヨーロッパに生まれればよかったのかな。
そう悲観する必要はありませんよ。
意外かもしれませんが、世界の言語のうち多数派はSOV型なのです。
日本語に加え韓国語・トルコ語などがSOV型に該当します。
まずは「英語と日本語の語順はまったく違うもの」という認識をもちましょう。
練習をかさねていくうち、自然と慣れてくるはずです。
2. 英語と日本語の、語順の重要性とは
『英語は語順が命』と言われるほど、重要なものとして捉えられています。
なぜなら語順が変わっただけで、伝わる内容が変わってしまうから。
たとえばこちらの文を見てください。
- John loves Mary. ジョンはメアリーを愛しています。
- Mary loves John. メアリーはジョンを愛しています。
語順が変わっただけで、反対の意味になっています。
いっぽう日本語ではどうでしょうか。
たとえば「彼はパソコンを買った」という文。
- 「パソコンを彼は買った」
- 「パソコンを買ったんだ、彼はね。」
どちらでも意味は通じます。
このように日本語の場合、意味の重点に違いはあるものの、内容そのものが変わるわけではないのです。
場所と意味がガッチリと結びついた言葉が英語です。
だからこそ英語において各要素の配置が重要であり、絶対の基礎となるのです。
それぞれの場所がどんな意味をもつのかは、次章で説明します。
3. 語順が違うのは、文化的な違いが一因?
あなたは学生の頃「英文は後ろから訳すと良い」と教えられませんでしたか?
たとえば I went to the supermarket last week to buy milk. という文があったとして、『私は牛乳を買うために、先週スーパーへ行きました』と訳すのが通常です。
それほど日本語と英語の語順は真逆なのです。
一般的なイメージとして英語は
- ポイントとなる部分から簡潔に言い切る
- 物事をはっきりさせる印象がある
- 個人主義的
のに対して、日本語は
- 直接的な言い方を避ける
- 柔らかく、調和をより重んじる印象がある
- 集団主義的
といった印象はありませんでしょうか。
文化的な違いが、語順や言語そのものにも表れていると言われています。
英語のもつ語順の重要性についてはご理解頂けましたでしょうか。
では続いて、語順で形成される文型について解説します。
5文型に進むまえに、英文を構成する4つの要素をおさらいしましょう。
ごく簡単に説明しますので、ここでは「そういうものなんだ」くらいに留めておいてください。
S 主語
文の中心であり、主題となるモノやコト・人が主語となります。
日本語ではしばしば省略されますが、英語ではまずはっきりと主語を述べることが基本です。
V 動詞
be動詞と一般動詞があります。
be動詞は「つなぎ」として使われ、実質的な意味をもちません。
一般動詞は実質的な意味をともなった動詞で、自動詞と他動詞に分けられます。
- 自動詞:主語と動詞の組み合わせで意味を表す動詞
- 他動詞:名詞(目的語)をうしろに続けて意味を表す動詞
O 目的語
動詞を受け、「何を?」という質問に答えるのが目的語です。
たとえば He studied English. (彼は英語を練習しました)という文があります。
He studied まで聞いたところで受けた「何を?」という質問にたいして答えたのが、目的語 English というわけです。
C 補語
S(主語)が何か、またはどういう状態かを説明するのが補語となります。
主語と補語はイコールの関係にあると覚えておきましょう。
1. S+V(主語+動詞)
主語と動詞だけの文型。
例:He ran. (彼は走りました)
実際には主語・動詞のみで意味を表すことは少ないので、次のように情報を加えることが多いです。
例:He smiled at me. (彼は私に微笑みかけました)
2. S+V+C(主語+動詞+補語)
動詞のあとで主語について説明する補語には形容詞または名詞が入ります。
ただし名詞を補語とするのは、be や become などごく一部。
主語イコール補語の関係となります。
例:The movie was funny. (その映画は面白かったです)
3. S+V+O(主語+動詞+目的語)
動詞に対して「何を?」と質問したときの答えとなるのが目的語でしたね。
この文型のとき、目的語が主語とイコールの関係にはなりません。
例:We cleaned the classroom. (私たちは教室を掃除しました)
4. S+V+O+O(主語+動詞+目的語+目的語)
何か(物や情報など)がだれかのところに移動することを表す場合に使う文型です。
目的語どうしはイコールの関係にはなりません。
最初の目的語が『人』、その後が『モノ』という順番になります。
例:My father bought me a watch. (父が私に時計を買ってくれました)
5. S+V+O+C(主語+動詞+目的語+補語)
目的語について説明するのが補語となります。
この文型では、目的語と補語がイコールの関係になります。
下の例だと、meとcryがイコールの関係となっているのが分かります。
例:They made me cry. (彼らは私を泣かせました)
基本的にはすべての英文がこの5文型のどれかに該当します。
例外が疑問文・感嘆文などですが、これらはとくべつな意図や感情を文にのせるため、意図的に配置を変えているのです。
駆け足で5文型を紹介しましたが、ネイティブはいちいち「これは第~文型だから…」とは考えて話していません。
英語は一番大事なことを先に、詳細は後に伝える言語です。
木の根があって、そこから枝葉がひろがっていく様子をイメージしてみてください。
基本的には以下の順番で情報を加えていきます。
- 誰が・何が(主語)
- 何をする( 動詞)
- 何を・誰に(目的語)
- どうやって
- どこで
- いつ
- なぜ
例文をみてみましょう。
The meeting will be held in Tokyo on 10th July .
そのミーティングは7月10日に東京で開かれます。
The meeting | will be held | in Tokyo | on 10th July. |
① 何が(主語) | ② 何をする( 動詞) | ⑤ どこで | ⑥ いつ |
という語順で、枝葉をひろげていくわけですね。
受身形の will be held は自動詞のため、③ 目的語はとりません。
S+V の第1文型になります。
他動詞の場合の例文も見てみましょう。
She plays the piano very well because she is a professional.
彼女はプロの演奏家なので、ピアノを上手に弾きます。
She | plays | the piano | very well | because she is a professional. |
① 何が(主語) | ② 何をする( 動詞) | ③ 何を(目的語) | ④ どうやって | ⑦ なぜ |
S+V+O なので、第3文型ですね。
④ どうやって の部分には基本的に副詞が入ります。
副詞とは名詞以外を修飾する言葉で、表現をより豊かにするために使われます。
日本語と英語の違い、語順の重要性、語順の決め方についてお伝えしてきました。
なんとなくイメージはつかめましたでしょうか。
語順は、日本人が英語学習をする上で必ずといって良いほどよくつまずくポイントです。
ですので、今行き詰っているあなたも落ち込んだり、無駄なことをしていると思う必要はないのです。
まずは日本語と異なる語順に慣れるため、とにかくたくさん英語に触れることが大切です。
最後までお読みいただきありがとうございました!