こんにちは!
早速ですがぴよさん、『日本語にしかない言葉』って
何か思い浮かびますか?
えぇ、日本語にしかない言葉かぁ。
なんだろう。食べる前の「いただきます」って言葉は、英語にないって聞くよね。
そうですね!
「いただきます」「お疲れ様です」など、日本独自のカルチャーを背景とした
言葉は、日本独自のものが多いです。
本日はそのような、英語には存在しない「日本語にしかない言葉」たちを紹介していきましょう!
もくじ
まずは「英語化した日本語」について考えてみましょう。
日本独自のカルチャーが世界に広まるにつれ、もともと日本語だったものが「世界共通語」化した単語が増えています。
たとえば
「可愛い(Kawaii)」
「漫画(Manga)」
「津波(Tsunami)」
「すきやき(Sukiyaki)」
などは、そのまま外国人に言っても通用します。
いっぽう、そもそも英語に直訳できない日本語があります。
日本独自の背景があるといった理由により、そのまま訳せないのですね。
この記事ではそういった言葉を紹介していきましょう。
英語にはない繊細さや美しさがある言葉ばかり。
あなたもきっと、日本語の奥深さを再認識できるはずです!
① もったいない
2000年代序盤、ケニア人環境保全家のワンガリ・マータイさんが地球環境保護のキャンペーンを進めました。
その際「Mottainai」を合言葉としたことで、一躍世界的に知られる単語となりました。
日本では当たり前のように使われている「もったいない」という言葉。
まったく同じ意味を持つ英語はないため、海外でも「Mottainai」という言葉が使われています。
マータイさんが広めたこの言葉は、
Reuse(再利用)
Recycle(再資源化)
Reduce(ゴミ削減)
に加えて「Respect(限りある資源への尊敬の念)」を追加したものと定義されています。
古くからある「資源を無駄にしない」という日本の文化が表れた、美しい言葉なのではないでしょうか。
SDGs(持続可能な開発目標)への関心が高まるなか、「Mottainai」は今ふたたび、注目されています。
② いただきます
食べ物自体や、料理をしてくれた人などに向け、感謝を表すこの言葉。
我々日本人にとって、「いただきます」と声に出さずに食事を始めるわけにはいかないのではないでしょうか。
この言葉も、英語に直そうとすると
I will have this.
Let’s dig in.
などとなり、とてもシンプルです。
料理をしてくれたことに対する感謝の気持ちを表すには
Thanks for making breakfast.
などといった形で、あらわすことはできます。
とはいえ、やはり「いただきます」ほど深く広く、感謝をしめす便利な言葉は存在しないのではないでしょうか。
③ よろしくお願いします
人に何かをお願いする時や、挨拶をする時。
またメールの文末では、決まり文句のように使用している方も少なくないと思います。
あなたも特にビジネスにおいて、「無意識に口から出てしまう言葉ナンバーワン」なのではないでしょうか。
そんな便利な言葉を外国人相手に言おうとすると、とたんに言葉が出なくなるはずです。
こちらも英語には直訳できないからですね。
無理にでも英訳しようとすると、シチュエーションごとに異なります。
たとえばメールの文末に使用するなら
“Sincerely.“ や “Best regards.“。
何かをお願いする時には
“Thank you in advance.“
初めて出会ったときの挨拶で使う場合には
“Nice to meet you.“などになります。
「よろしくお願いします」は、あまりにも便利な言葉。
さまざまな場面で応用が利きすぎるため、英会話をする際にはその都度場面に応じたフレーズが必要となるのです。
④ お疲れ様です
「よろしくお願いします」と並んで、仕事中に使う頻度が高いのがこのフレーズ。
同僚とすれ違ったときや、退勤するとき。
つい口にしてしまう言葉なのではないでしょうか。
これは本来、相手の労苦をねぎらう意味で用いる言葉。
しかし今日ではあいさつの代わりとしても、使われることが多いはずです。
「お疲れさま」を英語に直訳しようとするときには、シチュエーション別に使い分ける必要があります。
「よろしくお願いします」と同様ですね。
たとえば単なるあいさつとして使う場合には
“How’s it going?“ や “Hi!“など。
相手の仕事ぶりに感謝する気持ちを伝えたい場合は
“Thank you for your hard work today.“など。
同僚や部下が成果を上げ、賞賛するときには
“You did good job!“や“Well done!“など。
あまりにも応用が効く言葉なので、英訳をしようとすると「あれ、何ていうんだっけ?」となりやすいものですね。
⑤ 渋い
「華やかでなくても、落ち着いたおもむきがある」などといった意味で使用される、「渋い」という言葉。
雰囲気を表現する言葉は、なかなか英語では訳しにくいものです。
センスについて言及する場合の「渋い」を的確に表す英語表現はありません。
そのため、英語のオックスフォード辞典にもそのまま“shibui”として掲載されています。
ムリに英訳しようとすると、“cool”や“tasteful”など。
「渋い」という言葉が本来もっている奥深さが失われる気がします。
こちらも場面に応じて単語を使い分けたほうが良いですね。
たとえば「服のセンスが渋い」と褒めたいときなら
“You have really good taste.“
「かっこいい、渋いね」と褒めたいときなら
“You look sharp.“
「琴を弾くことは渋い特技だ」と言いたいときは
“Playing Koto is the simple and artistic special skill.”
のように、シチュエーション別に使い分ける必要がありそうです。
⑥ 生きがい
生きがいという言葉は、日本語だけにあるらしい。こういう言葉があるということは日本人の心の生活のなかで、生きる目的や意味や価値が問題にされてきたことを示すものであろう。
たとえそれがあまり深い反省や思索をこめて用いられてきたのではないにせよ、日本人がただ漫然と生の流れに流されてきたのではないことがうかがえる。
神谷美恵子氏の名著、『生きがいについて』からの引用です。
生きがいとは、「生きるはりあい」あるいは「幸せを感じるもの」。
英語に訳そうとすると
“a reason for being”、 “purpose of life “等でしょうか。
こうした合理的、哲学的概念にくらべると日本語の「生きがい」は、いかにも日本語らしい曖昧さと、それゆえの余韻やふくらみが感じられます。
⑦ 居留守
家にいながら、不在をよそおう「居留守」。
こちらも直訳できるフレーズはありません。
海外では、あまり一般的でないシチュエーションなのでしょう。
英訳すると、
pretending to be out when someone knocks at your door.
(誰かが家のドアをノックしたときに不在のふりをすること)
のように長くなってしまいます。
⑧ 切ない
小説や青春ドラマでよく出てくる「切ない」というフレーズも、英語で表現できない単語です。
似た表現として使われるのが“painful”。
「痛い・苦しい・つらい」という意味をもち、何か悲しい出来事が起きて心が辛いと感じるときにも使われます。
しかし我々も必ず経験しているであろう、あの胸が締め付けられるような感覚は、日本語の「切ない」でしか表現しきれないのかもしれませんね。
英語以外でいえば、ポルトガル語のサウダージ(saudade)という言葉が、意味合いとしては近いそうです。
⑨ 木漏れ日
小説などでよく使われる表現です。
「木の葉(このは)の間から漏れ差す日の光」のことを意味します。
詩的な言葉で、なんとも言えないロマンティックな響きがありますね。
こちらも英訳しようとすると
Sunlight that filters through the leaves of trees
と、どうしても長くなってしまいます。
木漏れ日の美しさに気付いた先人たちの、繊細な感性がうかがえますね。
⑩ 初心
「初心忘れるべからず」という言葉は、日本人なら一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
この「初心」という言葉も日本独自のものです。
英訳しようとすると、“original intention”。
かつてアップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏はこの言葉を取り上げ、「日本にある素晴らしい言葉」と絶賛しました。
日本人にとっては昔から馴染みがある言葉でも、世界からみると斬新な視点だったということですね。
⑪ よいしょ
「よいしょ」は日本特有の擬音語のひとつ。
何かを持ち上げたり、力作業を行う前にかける言葉です。
またお祭りでは、おみこしを担ぐ人たちの掛け声としても使われていますね。
地域によって言い方も異なり、「よっこらしょ」であったり「よっこいせ」であったり。
福島では「しっちょいさ」と言うそうです。力が入りにくい気がしてしまいますが…笑
英語に直そうとすると
“Here we go”「それっ!」という感じでしょうか。
ちなみに台湾では日本の「よいしょ」と同じ使い方で、「エッショ」と言います。
⑫ わびさび
「わび・さび」は日本文化特有の美意識を表す言葉で、漢字にすると「詫び・寂び」。
質素なものや、静かさ。そして不完全さ。
完成された豪華なものよりも、何かが少し欠落しているなかに静寂さが感じられ美しいと感じる傾向が日本人にはあります。
分かりやすい例でいえば、金閣寺より銀閣寺の方がわびさびを感じると言われています。
しかしわびさびを言語化することは日本人でも難しく、感覚的に捉えられやすいもの。
英訳の例として紹介すると
“The art of imperfection, impermanent, and incomplete”
「不完全で、永久でない、未完のものがもつアート」
等になります。
この記事では、「英語には存在しない12の日本語」を紹介してきました。
外国人にとって訳すのが難しい言葉や、日本文化を学ぶうえで欠かせない言葉が再発見できたのではないでしょうか?
島国として長きにわたって独自の文化を育んできた日本には、外国語で簡単には説明ができない奥深さや意義深さをもった言葉が多く存在します。
この記事をきっかけとして、日本や日本語の魅力を再認識いただけたら幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました!