前回に引きつづき、面白くて便利なイディオムを紹介していきますね。
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もくじ
日本語では『手前味噌』・『絵に描いたモチ』など、食べ物をつかった慣用句は多いですね。
英語でも多く見られますので、ネイティブがよく使うものを紹介していきます。
as cool as a cucumber
意味:非常に冷静で、涼しい顔で
直訳すると「キュウリのように冷静」という面白い表現です。
なぜキュウリが用いられるようになったのでしょうか。
昔キュウリの中身の温度を測ってみたところ、外気温よりも7度ほど低かったという事実が判明したそうです。
まわりよりも温度が低い=周りが興奮するような状況の中でも冷静でいられる人
という理由から、キュウリに例えて表現するようになったそうです。
彼女は面接のあいだ、キュウリのように冷静だった。
a piece of cake
意味:簡単にできること、たやすいこと
「ケーキ一切れくらいペロリと簡単に食べられる」ということから派生し、「簡単にできること、たやすいこと」という意味になりました。
日本語だと『朝飯前』で同じ意味になりますね。
文化の違いが見えて面白いです。
She was nervous about her driving test, but it ended up being a piece of cake.
彼女は運転免許の試験に緊張していたが、結局とても簡単だった。
the apple of someone’s eye
意味:大切にしている、溺愛している人やもの
日本語でも『目に入れても痛くないほど好き』という表現がありますね。
その感覚は英語圏でも同じ。好きで好きでたまらない相手やものに使うことが出来ます。
My son is the apple of my eye!
私の孫は目に入れても痛くないような存在じゃ。
bring home the bacon
意味:家族の生活を支えるために収入を得ること
「ベーコンを家に持ってかえる」という表現も、文化の違いが感じ取れます。
『生活費をかせぐ』という意味から派生し、『成功をおさめる』という意味にも使われます。
Someone has to bring home the bacon in the family.
家庭のなかで誰かが生活費を稼がなくてはならない。
butter up
意味:ごまをする
個人的な利益を得ようという目的で誰かにおべっかを使う、ごまをするという句動詞です。
由来には諸説ありますが、古代インドで、バターを神像に投げつけることで
神の恵みを得る慣習にちなんで生まれたという説が有力とされています。
He’s always trying to butter up the boss.
彼はいつも上司にごまをすろうとしている。
spill the beans
意味:秘密にしておくべき情報を誤って漏らしてしまうこと
直訳すると「豆をこぼす」という意味です。
20世紀ごろから「軽率に話して、これまでの安定した状況を覆す」という意味としてアメリカで使われ始め、徐々に現在の意味(うっかり秘密を暴露してしまうこと)に近づいてきました。
We cannot put him in court or he would spill the beans.
彼を法廷に招くことはできない。秘密をバラすだろうから。
two peas in a pod
意味: 性格や外見がそっくり
直訳すると「さやの中のふたつのエンドウ豆」。
似ていて違いがわからないという意味になります。
日本語では『瓜ふたつ』なので、当たらずとも遠からずですね。
The twins are as alike as two peas in a pod. You can’t tell the difference between them.
その双子は本当に瓜ふたつ。見分けが付かないよ。
in a nutshell
意味:簡単にいうと、要するに
「ナッツの殻の中に入ってしまうほど(言葉が)少ない」という比喩から派生したイディオムです。
I won’t tell you the whole story, but in a nutshell…
全部のストーリーは教えないけど、簡単に言うと…
have a finger in every pie
意味: 様々なことに関与する
直訳は「あらゆるパイに指を入れる」。
色んなところに顔を出してはおせっかいを焼くような人のことを指します。
どちらかというと否定的なニュアンスがあるので、使うときには注意しましょう。
Why does he have to have a finger in every pie?
彼はなぜ色々と関わっておせっかいを焼くの?
cry over spilt milk
意味:既に起きてしまったことについて、心配すること。
日本語の『覆水盆に返らず』と同じ意味です。
こぼれたミルクをもったいないと嘆いても、ミルクがもう一度容器に戻ることはない。
このことから、既に起きてしまったことについて嘆いたり、悔んだりすることを言います。
Mary was unable to accept the reality of her divorce. She was crying over spilled milk.
メアリーは離婚という現実を受け入れられないでいる。覆水盆に返らずだ。
the best thing since sliced bread
意味:最高のもの、画期的なもの
「スライスしたパン以来の素晴らしい発明品」という直訳。
『最高の、とても素晴らしいもの』という意味で、本気で褒めている場合もあれば、すこし冗談や皮肉が含まれている場合もあります。
I really love my new computer, its the best thing since sliced bread.
新しく買ったパソコンは最高よ! スライスしたパン以来の素晴らしい発明だわ。
couch potato
意味:怠け者
80年代のアメリカで生まれた言葉です。
ソファに横たわったまま動かず、テレビを観ながらポテトチップスを食べてだらだらと過ごす人のことをこう呼ぶようになりました。
現在は単純に「リラックスすること」を表す場合もあります。
Stop being a couch potato. Come on, get up!
ゴロゴロしないで。ほら、起きて!
pie in the sky
意味:絵に描いたモチ
直訳は『空に浮かんだパイ』。
絵空事・現実にありえない、意味のないものという場合に使います。
That’s a pie in the sky. Get realistic.
それはかなわぬ夢だ。現実的になろう。
sell like hot cakes
意味:飛ぶように売れる
hot cakes は「焼き立てのケーキ」という意味で、焼き立てのケーキは特においしいのですぐに売り切れてしまうことからこの言葉が生まれたそうです。
It is very hot outside. These ice creams will sell like hotcakes.
外はかなり暑いので、このアイスクリームは飛ぶように売れるだろう。
have a sweet tooth
意味:甘党
最後は食べる側、人間の特徴をあらわすイディオム。
直訳すると「甘い歯を持っている」ですが、「甘いものが大好き」という意味になります。
複数形の「teeth」でなく単数形の「tooth」になるので注意しましょう。
She loves sweets! She really has a sweet tooth.
彼女は甘いものが大好きです。本当に甘党です。
食べ物をつかったイディオム15選をお伝えしてきました。
登場してくる食べ物の種類に、英語圏の文化が色濃く出ていたのではないでしょうか。
下の記事では、ネイティブ頻出のイディオムをお伝えしています。
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