ネイティブと会話をしていると、聞き慣れない英語の表現をよく耳にするよね。
そういうのをサラッと使いこなせたらかっこいいなぁと思うんだ。
だからひげさん、教えて!
そうですね。英語の慣用句(イディオム)は沢山あります。
以前にも紹介したイディオムと合わせて、会話のなかに取り込んでいきましょう。
今回はネイティブがよく使うイディオムで、個人的にかっこいいと感じるものを選んでみました。
それではどうぞ!
- おしゃれでかっこいい英語の慣用表現を知りたい
- 日常会話やビジネスシーン、色々な場面で使える表現を知りたい
- イディオムを多く覚えて、表現の幅を出したい
もくじ
よく耳にする表現のなかから、覚えやすいものを抜粋しました。
「なぜこのような表現が生まれたのか」という由来を考えたり、直訳とのギャップを楽しみながら学習していってくださいね!
actions speak louder than words
意味:行動は言葉よりも雄弁
直訳すると『行動は言葉よりも大きな声で話す』。
言葉を話すよりも行動のほうが重要という意味ですね。
日本語でこれに近いのは『不言実行』でしょうか。
He keeps saying he loves me, but actions speak louder than words.
彼は私のことをずっと好きだと言っている。でも行動で示してほしいね。
a penny for your thoughts
意味:何を考えているの?
イギリス発祥の表現。
会話の中で黙り込んでいる人がいたときに、「1ペニーをあげてでも」その人の意見が聞きたいという意味から派生したイディオムです。
友人同士など、カジュアルな場で使われます。
You have been quiet for a while, a penny for your thoughts.
しばらく黙っているけど、何を考えているの?
burning the midnight oil
意味:夜中遅くまで必死に働く(勉強する)
直訳すると、「真夜中の油を燃やす」。
日本語で言う『一夜漬け』のような慣用表現です。
電気がなかった時代に油を使ったランプで明かりをとっていたことが、この表現の由来と言われています。
My brother has a big exam next week so he is already burning the midnight oil.
兄は大きな試験を来週控えているので、夜通し勉強している。
go with the flow
意味:流れに身をまかせる
自分の意見を主張して無理にコントロールしようとするのではなく、流れに身をまかせようというときに使える表現です。
周りに合わせたり、展開に身を任せたりするときによく使われます。
多くの日本人が得意とする方法ではないでしょうか。
同様に“go with the tide”と表現することもできます。“tide”は「潮」ですね。
Quite often in life, good things happen when you don’t make plans.
Just go with the flow and see what happens!”
人生では時として、計画しないときに良いことが起こる。流れに身を任せてどうなるか見定めよう!
walking on air
意味:とても幸せな気分
直訳すると「空気の上を歩く」という意味。
雲の上を歩いているような、幸せな気持ちという表現です。
She’s been walking on air since she found out that she’s pregnant.
彼女は妊娠していると分かってからとても幸せな気分だ。
似た意味で“on cloud nine” という表現がありましたね。こちらの記事で紹介しています。
your guess is as good as mine
意味:まったくわからない
直訳すると「あなたの推測は私のと同じくらい良いです」。
何のことかさっぱりですね。
これは「質問した人(あなた)がわからないのと同様に、私もわからない」という意味になります。
「自分もあなた同様、知りません」という、トンチの効いた表現ですね。
I asked my wife “how long will it take for the pie to bake?” and she answered, “your guess is as good as mine.”
妻にいつパイが焼けるのか聞いた。彼女は分からないと言った。
a perfect storm
意味:最悪の事態
複数の災難や困難が続けざまに起こる、深刻な状況を意味します。
日本語で言えば『泣きっ面に蜂』や『弱り目に祟り目』でしょうか。
この場合のperfectは逆説的(sarcasm)な意味で使われています。
The perfect storm just hit me: I lost my job, my wife, and my driver’s license all in the same day.
最悪の事態が起こった。仕事も、妻も、そして免許証も同じ日に失った。
take the fifth
意味:黙秘権を行使する
「それについては話したくない」という口語表現として、米国でよく使われます。
アメリカの憲法の条項第5条(the Fifth Amendment)が黙秘権に当たることから、『黙秘権を行使する』という意味になったそうです。
He took the Fifth when his wife asked him where he’d spent last night.
昨夜どこにいたのかと妻が尋ねたとき、彼は黙秘した。
when it rains, it pours
意味:来るときは、一気に来る
直訳すると「雨が降るときには土砂降りになる」。
雨が降るだけでも十分嫌なのに、土砂降りになって二重の災難だというわけです。
プラスのことが重なるときにも使われますが、マイナスの場合には日本語でいう「泣きっ面に蜂」と同様の意味となります。
Yesterday, we had almost no customer, but today, it’s getting too hard to handle all, when it rains, it pours.
昨日はほとんど客が来なかった。でも今日は対処しきれないくらいに来た。来るときには一気に来るものだ。
chasing rainbows
意味:叶わない夢を追う
直訳すると「虹を追いかける」。
あまり良い意味で使われることはなく「夢物語ばかり言っていないで現実を見たら?」という時に良く使われる表現です。
虹ばかりを見て追いかけても、虹に追いつくことはない様子から、『実現しそうにない夢を追いかけて無駄な時間を過ごすこと』を意味します。
なんとも耳の痛い話ですね。
I know you want to become an actor but I think you should stop chasing rainbows and get an office job.
俳優になりたいのは分かってるけど、そろそろ夢ばかり見てないで就職したらどうなの。
castle in the sky
意味:現実味のない話
直訳すると『空に建てた城』。
ジブリ映画『天空の城ラピュタ』の英語版タイトルでもあります。
転じて「現実味のない話」を意味します。
“pie in the sky”(空の中のパイ)も同様の意味を表すイディオムです。
World traveling used to be a castle in the sky for most people a few decades ago
世界旅行は数十年前、多くの人にとって現実味のない話だった。
the kiss of death
意味:命取りになるもの、災いのもと
『死のキス』とは、失敗や災いの原因となるものを表すイディオムです。
一見良いことのように見えて命取りになるものや、災いのもととなる行動を指します。
語源は聖書にあり、イエスにキスをしたユダの裏切り行為に由来すると言われています。
イエスの顔がわからないローマ兵のために、イエスにキスをすることを合図として捕えたのです。
Some people believe that cultural differences can be the kiss of death when it comes to relationships.
文化的な違いは交際において災いのもとになると信じてる人もいる。
vice versa
意味:逆もまたしかり
こちらはイディオムではありませんが、ラテン語に語源を持つ表現です。
説明だけだと分かりにくいかと思いますので、先に例文をお見せします。
I do not like my sister’s new husband, and vice versa.
私は義理の兄(姉の旦那)が嫌いだし、向こうも私のことを嫌いだ。
通常 and や or と共に、文末に使われます。
そこで「逆もまたそうだ」という意味を付け足すのです。
この表現、一度使ってみたいのですがなかなかチャンスがないのですよね…。
ball is in one’s court
意味:あなた次第
由来はテニスの試合にある表現です。
ボールはこちらの陣地にあるので、決断をするのはあなた次第。
誰かがあなたの決断を待っているという意味を表します。
だいたいにおいて、物事を決めることについて用いられます。
I filled out the application so now the ball’s in their court and all I can do is wait.
申込書は書いたので、あとは彼ら次第で待つのみだ。
get a grip
意味:落ち着く、しっかりする
Get a grip.と命令形になると、「しっかりしろ」、「気を引き締めろ」という意味になります。
相手が取り乱している場合や、非現実的なことを考えている場合などに用いられる表現です。
Get a grip, the situation isn’t as bad as it looks.
しっかりしろ。状況は見かけほど悪くないよ。
the tip of the iceberg
意味:氷山の一角
直訳は『氷山の先端』。
日本語とまったく同じ使われ方と捉えて問題ないでしょう。
つまり見えている部分は、全体の一部分にしか過ぎない。
実際にわかっている小さな問題の根には、もっと深刻な問題が隠れているといった状況で使います。
What you know about the problems between your mother and I are only the tip of the iceberg.
あなたが知っているあなたのお母さんと私の問題は、氷山の一角にすぎない。
a storm in a teacup
意味:大げさに騒ぎ立てること
直訳すると『ティーカップの中の嵐』。
嵐は、問題や事件を表しています。
ティーカップに収まる規模の問題、つまり「些細なことを深刻にとらえて心配している」「大げさに騒ぎ立てている」という意味となります。
This matter is a storm in a teacup. It is an argument about nothing.
この問題は大したことがなく、論じるに値しない。
never say never
意味:決してあきらめない
どんな事柄でも少しは可能性があるので、最初からあきらめたらダメだと主張するときに使われる表現です。
相手がくじけそうなときなどに励ます言葉として用いられます。
Never say never. I know you can do it.
あきらめないで。君ならできるよ。
variety is the spice of life
意味:変化に富んだ生活の方が人生は楽しいものだ
直訳すると『多様性は人生の薬味』。
要するに、「人生いろいろな事が起こった方が楽しいし刺激的だよね」という意味です。
人生は色々なことにチャレンジすると、さらに面白くなるということですね。
私もこの意見には賛成なので、サラッと使ってみたいものです。
I started learning tennis after having tried swimming because variety is the spice of life.
水泳に挑戦したあと、テニスを習い始めた。だって、多様性は人生のスパイスだからね。
it takes two to tango
意味:問題の責任は両者にある
直訳すると「タンゴを踊るには2人必要」。
問題などが発生した時の責任は、両方にあるという意味を表します。
日本語でいう『喧嘩両成敗』に近いでしょうか。
We will never reach an agreement unless we sit down for a discussion. It takes two to tango.
じっくり議論しないと結論が出ない。問題の責任は両方にある。
go down in flames
意味:見事に失敗する、破滅する
直訳すると「炎に包まれて落ちる」。
本来『飛行機が炎に包まれて落下すること』を意味するこのフレーズ。
転じて完全に失敗したり、終焉を迎えたりするという意味のイディオムとして用いられます。
The project went down in flames when the team leader resigned.
そのプロジェクトはチームリーダーが辞めて見事に失敗した。
there are plenty of fish in the sea.
意味:他にも良い人はいくらでもいるよ
直訳は「海には魚がいっぱいいるよ」。
「男(女)はいっぱいいるから元気出して」と失恋した人をなぐさめるときに使う、決まり文句です。
Don’t cry over Paul. There are plenty more fish in the sea!
ポールのことで気に病まないで。他にも良い人はいっぱいいるよ!
down to earth
意味:現実的な、堅実な
日本語でも「地に足のついた」という表現がありますが、全く同じと捉えて良いです。
「現実的な」「堅実な」「常識のある」などのニュアンスを表します。
宙に浮いてフワフワしているのではなく、足がしっかりと地に着いた状態ということですね。
Needless to say, they are very down-to-earth people.
言わずもがな、彼らはとても地に足のついた性格の人々だ。
break the ice
意味:緊張をほぐす
直訳すると「氷を壊す」。
日常会話でも非常に良く使われます。
意味は「口火を切る」や「緊張をほぐす」。
初対面で緊張しているなか、会話の口火を切るといった状況でよく使われます。
また、『場の緊張をほぐすもの』という意味で“icebreaker”という名詞もよく使われます。
Jim organized a few party games to break the ice when participant first arrived.
参加者が初めて到着したとき、ジムは場の緊張をほぐすためにパーティーゲームを行った。
every cloud has a silver lining
意味:どんな困難な局面にも何かしら良いことがある
直訳すると「すべての雲には銀の裏地が付いている」。
「どんな苦境や絶望に見えても、何かしら良いことがある」と励ますときに使われるイディオムです。
私が一番好きなイディオムです。美しい情景がイメージされるような表現ですね。
Don’t worry about losing your job. It’ll be okay. Every cloud has a silver lining!
失業したことは気にしないで。大丈夫だから。何かしら良いこともあるよ。
今回はかっこいいイディオムを25選、お伝えしてきました。
かっこいいというのはあくまで個人的な主観ですが、あなたも琴線に触れる表現はあったでしょうか。
どれも日常的に使われる、実用的な表現ばかりですので、覚えておいて損はないです。
今すぐ実際に使わないとしても、目の前に相手がいる状況を想像してトレーニングができますね。
イディオムは会話の幅をひろげ、表現を豊かにしてくれる効果があります。
ぜひどんどん取り入れてみてくださいね。ではまた!
最後までお読みいただきありがとうございました!