英語にもことわざってあるんだよね。
日本と共通するものもあるって聞いたよ。なんだか面白そう。色々知ってみたいな!
ぴよさん、良いところに気がつきましたね!
ことわざはその土地ならではの国柄が反映されており、文化の違いがみえて面白いですよ。
なかには「えっ?!」とびっくりしてしまうものもあるのですが、意味を知ると思わずうなずいてしまうような深いものがあります。
そうなんだ。
ひげさんはいつも褒めてくれるね、ありがとう!
いえいえ、正直に感想を伝えているまでです。
この記事を読めば、面白くて役に立つ英語のことわざを知ることができます。
英会話の表現力もアップして、ネイティブにも一目置かれること間違いなしですよ。
ぜひ、口に出しながら覚えていってくださいね。
それではいってみましょう!
- 英語のことわざで面白いものを探している
- 日本の有名なことわざを英語でどう言うか気になる
- 面白いけど深い意味をもつ英語フレーズを知りたい
もくじ
「ことわざ」は英語でproverb。
なかには日本人にとっておなじみのものもあり、覚えやすいはずです。
それでも題材として取り上げるものには文化の違いが表れます。
たとえば日本のことわざ「取らぬタヌキの皮算用」。
「まだ手に入れていないうちから、それを当てにして儲けを計算したり計画を立てたりすること」を表します。
これが英語では
Don’t count your chickens before they hatch.
となります。
直訳すると「卵がかえらないうちに、ヒヨコの数を数えるな」。
タヌキとチキン。
文化の違いがはっきりと表れていて、面白いですね。
そんな英語のことわざを、まずは日本でもおなじみのフレーズから紹介します!
日本でもおなじみのことわざ15選
a drowning man will clutch at a straw
意味:溺れるものはワラをもつかむ
「溺れかかっている人は水面に浮かぶ1本のワラにもすがろうとする。人間はパニックになると苦しみのあまり何にでも頼ろうとするものだ」という意味です。
ちなみにstraw はワラ(藁)という名詞ですが、“the last straw”で「我慢の限界」・「堪忍袋の緒が切れる」という意味を表します。
大目にみていた状況に、ついに我慢できなくなったときに使うイディオムですね。
Although there was no possibility of success he tried his hand at this interview to get a job because a downing man will even clutch at a straw.
「溺れるものはワラをも掴む」ということで、成功する見込みがないにもかかわらず、彼はこの面接に挑んだ。
a journey of thousand miles begins with a single step
意味:千里の道も一歩から
「大きなことを成し遂げるのも、まず最初の一歩から始まる」という意味です。
中国の哲学者、老子がのこした名言といわれています。
「1000マイル」と「千里」の違いですが、「一里」は約3.93km、「1マイル」は約1.6kmなので千里のほうが長い距離とのこと。
いずれにしても、まずは一歩目を踏み出さなければ何も始まらないという本質は同じですね!
私も完全に同意します。
A journey of a thousand miles begins with a single step and is finally covered after a time.
千里の道も一歩から始まり、時を経てようやく報われる。
a bad workman always blames his tools
意味:達人や名人と呼ばれる人は、道具に左右されず失敗しない
直訳すると「悪い職人はいつも道具のせいにする」。
日本でいう「弘法筆を選ばず」と同じですね!
似た意味のことわざで、“a bad carpenter blames his tools.”「悪い大工は、道具を責める」
というのもあります。
The football player blamed the rainy weather for his poor performance, but as they say, a bad workman blames his tools.
そのサッカー選手は自分の成績が悪いのを雨のせいにしていたが、「悪い職人は道具のせいにする」ということわざがある。
a bird in hand is worth two in the bush
意味:確実ではないものに期待するより、手中にあるものを大事にしたほうが良い
直訳すると「手の中にある1羽の鳥は繁みのなかの2羽の価値がある」。
猟師が1羽の鳥をすでに捕まえているなら、その1羽に満足し、遠くに逃げていった鳥を捜し求めてはいけないという意味です。
欲張って多くを求めるよりも、すでに手にしている小さいもので満足した方がよいという時に使われます。
日本の「二兎を追うものは一兎をも得ず」に似ていますね。
You may not like your job, but don’t quit merely on the hope of finding a better one. A bird in the hand is worth two in the bush.
今の仕事が気に入らなくても、もっといい仕事が見つかるかもしれないという期待だけで辞めてはいけない。「手の中にある1羽の鳥は繁みのなかの2羽の価値がある」って言うだろう。
all’s well that ends well
意味:終わりよければすべてよし
途中で困難があっても、結果が良ければよしとしようという前向きな言葉です。
17世紀に書かれたシェイクスピアの戯曲のタイトルとして有名なことわざで、会話でもよく使われます。
最後がうまくいけば、途中にあった困難や問題は忘れられたり正当化されたりするもの。
コロナ禍で色々あった2021年も、「All’s well that ends well!」で締めくくれると良いですね。
One of the robbers had a change of heart and helped the police to catch the culprit. So, all’s well that ends well.
強盗のひとりが心を入れ替えて、警察に協力して犯人を捕まえてくれた。これで、終わりよければすべてよし。
a picture is worth a thousand words
意味:口で説明するより実際に見せたほうが良い
直訳すると 「一枚の絵は千の言葉に値する」。
つまり、言葉で話してなかなか伝わらないことでも、絵や写真などを見れば一発で分かるということです。
日本語でいう「百聞は一見にしかず」とほぼ同義ですね。
A good presentation should contain more of graphics and less of text, since a picture is worth a thousand words.
「一枚の絵は千の言葉に値する」だから、良いプレゼンテーションというのは写真やイラストを多く含み、文章を少なくするべきだ。
a rolling stone gathers no moss
意味:転がる石に苔むさず
このことわざが面白いのが、アメリカとイギリスでは意味の解釈が違っている点です。
アメリカでは、「転がる石のように色々なところに行って活動している人は、苔がつかず、新鮮で変化に富んでいる」というプラスの意味としてとらえられています。
対してイギリスでは、「転がる石のようにコロコロと考えや住居などを変える人は、忍耐力や信用にかける」という意味で使われます。
日本はどちらかというとイギリスの考えに似た風潮があるのではないでしょうか。
「石の上にも3年」という言葉があるように、じっくりと腰をすえてひとつのことに取り組むのが良しとされている部分があります。
国歌『君が代』でも、「苔のむすまで」と歌われるように、動かず、我慢して耐えることが美徳とされてきました。
同じことわざなのに、文化や風習によって意味まで変わってしまう。
言葉は文化に強い影響を受けることがよく分かりますね。
You should find a place that you like and build a home there because a rolling stone gathers no moss.
気に入った場所を見つけて、そこに家を建てるべきだ。「転がる石には苔が生えない」からね。
barking dogs seldom bite
意味:危険そうな外見の人は無害なことが多い
直訳は「吠える犬は滅多に噛まない」。
吠える犬が噛むことが少ないように、「大声をあげるような勢いのある人は、実際に手をあげる事は少ないから恐れる必要はない」と言う意味になります。
私はインドで吠えていた犬に噛まれた経験があるので、この意見には同意いたしかねます…笑
That horrible couple next door keeps threatening to call the police when we play music, but barking dogs seldom bite.
隣のひどい夫婦は、私たちが音楽を流すと警察を呼ぶと脅しているが、吠えている犬は滅多に噛まない。
don’t judge a book by its cover
意味:人は見かけによらない
直訳は「カバーだけで中身を判断してはいけない」。
つまり「人は見かけによらないから、外見で判断してはダメ」という意味になります。
この場合
- 真面目そうに見えたのに中身がダメダメの場合
- 不真面目そうに見えたのに実は真面目の場合
など、いい意味でも悪い意味でも使えます。
The hotel looked attractive from outside, but the rooms were damp and not well maintained. You can’t judge a book by its cover!
あのホテル外観は魅力的だったけど、部屋はじめじめしてしっかりメンテナンスされてなかったよ。物事を外見で判断しちゃダメだね!
ignorance is bliss
意味:知らないことはこの上ない喜び
“ignorance”は「無知、知らないこと」をあらわす名詞。
“bliss”も名詞で、「至福、無上の喜び」をあらわします。
つまり直訳すると、「無知は至福」。
知れば腹が立ったりストレスになるようなことでも、最初から知らなければ平静でいられるという意味です。
日本語でも「知らぬが仏」という言葉がありますね。
しかしながら、”ignorance is NOT bliss.”と逆説的に用いられることも多いようです。
I was wonderfully happy using my drier every day and ignorance was bliss until I found out how much electricity it consumed.
私は毎日乾燥機を使うことに喜びを感じていたが、それも電気をどれだけ消費するかを知るまでだった。「無知は幸せ」とはこのことだ。
kill two birds with one stones
意味:一石二鳥
直訳は「ひとつの石で2羽の鳥を殺す」。つまり「一石二鳥」そのままですね。
ひとつの行為で、ふたつ以上の利益を得るという意味になります。
日本でも良く知られていることわざですが、発祥はイギリスにあります。
2羽集まっているうちの1羽の鳥を狙って石を投げたら、鳥が2羽とも落ちてきたという出来事から生まれたのだそうです。
Cycling to work kills two birds with one stone. It saves money and gives you some exercise.
自転車通勤はまさに一石二鳥だよ。お金の節約にもなるし、運動にもなるからね。
like father, like son
意味:この親にして、この子あり
「この親にして、この子あり」という昔からの決まり文句です。
外観よりも、どちらかというと好ましくない習性のほうにスポットを当てて言われることが多いです。
クセや習慣が似ていたり、もしくはあとを継いで同じ職業についたりするときによく使われます。
ただ、「親がすばらしいが、子もすばらしい」というほめ言葉にも使われるところが日本語の「カエルの子はカエル」との違いでしょうか。
Jack is doing really well on the baseball team this season. He has nearly matched Jack senior’s reputation for being a great player ! I guess it’s a case of like father, like son.
Jack は今シーズン、野球チームでとても良い成績を収めているね。彼は、素晴らしい選手であった父親の評判にほぼ匹敵しているよ。「この親にしてこの子あり」とはこのことだね。
if you can’t beat them, join them
意味:もし打ち負かすことができないならば、仲間になれ
相手が強くて勝つことができないようなら、いっそ仲間に入ってしまえという意味です。
日本語で言う「長いものには巻かれろ」と似ていますね。
「勝てない相手とは戦うな」や「無駄死にするな」といった言外の含蓄も感じられる、良いことわざです。
A: “I thought you said you’d never join social media.” B: “Yeah, but everybody else has, so if you can’t beat them, join them, I guess.
A:ソーシャルメディアには手を出さないって言っていたよね?” B:「ああ、でも他のみんなはそうしているから、勝てないなら参加すればいいんじゃないかな。
it’s no use crying over spilt milk
意味:一度起きてしまったことは二度と元には戻らない
直訳は「こぼれたミルクを嘆いてもしょうがない」。
日本のことわざ「覆水盆に返らず」がこれに当たります。
水ではなくミルクで表現する発想が、英語ならではですね。
Mika was unable to accept the reality of her divorce. She was crying over spilled milk.
Mikaは離婚という現実を受け入れられなかった。こぼれたミルクに泣いていたのだ。
Rome wasn’t built in a day
意味:大きな仕事を成し遂げるには、長い時間が必要だ
「ローマは一日にしてならず」という文言は、日本でもおなじみですね。
「偉大な物事は短期間では完成しない」という意味です。
ちなみにローマはよく英語のことわざに登場します。
ほかにも“When in Rome, do as the Romans do.”「ローマにいるときにはローマ人のするようにやれ」→ 郷に入っては郷に従え
“All roads lead to Rome.”「すべての道はローマに通じる」→ ひとつの真理はあらゆることに適用される
など。さまざまな格言として残るほど、当時のローマは繁栄をきわめていたことが想像できますね。
Just as Rome was not built in one day, you are not going to pass this exam by studying for just one day.
ローマが1日で建てられなかったように、1日だけの勉強ではこの試験に合格することはできません。
英語ならではのことわざ5選
続いて、日本ではあまり聞いたことのない、英語ならではのことわざを紹介します!
言い回しや言葉のチョイスが「欧米だなー」と思わずうなってしまうようなフレーズを集めました。
God helps those who help themselves
意味:神は自分自身で努力する人に手を差しのべる
「人に頼ろうとする前に、まずは自分で出来る限りの努力をしなさい」という意味です。
God helps(神が人間を助ける)という表現が英語らしいですね。
また、help themselvesというのも、私たち日本人にとっていまいちピンとこないのではないでしょうか。
help oneself という表現は「自分で自分を助ける」。
つまり「自分のことは自分でやる」という意味としてよく使われる表現です。
Help yourself to the dishes. 料理は勝手に取っていいよ。
のように日常会話でも使われます。
You better start preparing for the test because God helps those who help themselves.
神は自らを助ける者を助けるのだから、テストの準備を始めた方がいい。
you can’t make an omelette without breaking eggs
意味:何らかの犠牲を払わなければ目的を達することはできない
直訳は「卵を割らなくてはオムレツは作れない」。
当たり前ですが、オムレツを作るには何個かの卵を割らなくてはいけませんね。
それと同様に、目的を達成するには誰かに迷惑をかけたり、何かを断念したりといった犠牲をともなうものだという意味です。
題材にオムレツを用いるあたりがアメリカっぽいなーと感じますね。
The course requires a lot of effort on your part. It is true that you can’t make an omelette without breaking a few eggs.
このコースでは、あなたの努力が必要になる。「卵をいくつか割らなければオムレツを作ることができない」のは本当だということだね。
you can’t unscramble a scrambled egg
意味:ある種の行動は元に戻すことができない
卵料理が連続します。
直訳は「スクランブルエッグのスクランブルを戻して元の卵にすることはできない」。
“scramble”はスクランブル交差点でもおなじみですが、「ごちゃごちゃに混ぜる」という単語です。
“unscramble”は造語ではなく実際に存在する動詞で、「元の状態に戻す」あるいは「解読する」と訳されます。
つまり「一度ごちゃ混ぜにしてしまったものは、やり直しが効かない」という意味で使われます。
これは面白い表現ですね。
The spilt milk can’t be used. You can’t unscramble a scrambled egg.
一度こぼれた牛乳は使えない。スクランブルエッグを元に戻すことはできないように。
life begins at forty
意味:人生は四十歳から始まる
スキルや知恵が充分身についた40歳頃から、人生がほんとうに楽しくなり始めるという意味をもつことわざ。
40歳を間近にひかえる私にとって勇気をもらえる格言です!
A: “I’m so depressed that I’m going to turn 40 next year.”
B: “Come on, life begins at 40. You’ve still got all sorts of adventures ahead of you!”
A:”来年40歳になるのがとても憂鬱だよ。”
B: “何言ってるんだい、人生は40歳から始まるんだ。まだまだいろいろな冒険が待っているよ!”
an apple a day keeps the doctor away
意味:リンゴは身体に良い
直訳は「一日に一個のリンゴが医者をよせつけない」。
“a day” と”away”で韻が踏まれていますね。
何か深い意味が隠されているかと思いきや、シンプルに「リンゴが身体に良い」という意味です 笑
こんな裏切りパターンもあるのですね。
Remember to take an apple in your lunch today. An apple a day keeps the doctor away.
今日のランチにはリンゴを忘れずに入れましょう。「一日一個のリンゴは医者を遠ざける」って言うでしょう。
関連記事
今回ご紹介したもの以外にも面白い英語の慣用句・イディオムをまとめた記事があるので、よろしければそちらもチェックしてみてください。
英語の面白いことわざを紹介してきました。
英語のことわざにはそれぞれの文化や国柄の違いがあらわれている点、感じていただけましたでしょうか。
文化の違いやことわざが生まれた背景を意識することで、より深い会話ができるはずです。
また、英語のことわざは短くシンプルなものが多いというのも特徴ですね。
日本語のようにやや「古臭い、堅苦しい」印象も少なく気軽に使えるのも利点です。
それでいて先人たちの知恵や含蓄がつまっているため、会話のアクセントとなります。
知れば知るほどに奥が深い「英語のことわざ」。あなたも使ってみてはいかがでしょうか?
ではまた別の記事でお会いしましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました!