アメリカ英語とイギリス英語の違いは結局何なの? 【発音・単語・スペル・文法】

学習者ぴよ
学習者ぴよ

この前行ったホテルで “Buisiness centre“ と書かれた表示を見つけたんだ。


centerの間違いじゃないかってスタッフに聞いたら、「こちらは正しい表記です」って。


恥ずかしかったよ。

ひげさん
ひげさん

それはイギリス英語のスペルですね。


英語は大きく分けてアメリカ英語イギリス英語に区分されま
す。


なかには意味がまったく異なるものや、意味を取り違えやすい紛らわしい表現もあります。


知識がないとあらぬ誤解を招いたりすることもありえるので、この機会に覚えておきましょう。

学習者ぴよ
学習者ぴよ

そっかー、イギリス英語なんだね!


アメリカの英語と少し違うことは知っていたけど、結局のところ何が違うのかな。


…というか、同じ英語なのになぜ違いがあるんだろう。

ひげさん
ひげさん

単語や発音、そして文法に若干の違いがあります。


初心者でも分かりやすくそれぞれの違いを説明しますので、この記事を読めばアメリカ英語とイギリス英語の見分け方が分かるようになりますよ!

こんな方に読んでほしい
  • アメリカ英語とイギリス英語で、結局のところなにが違うのかを知りたい
  • 初心者でも見分けられるポイントを知りたい
  • 同じ英語なのに、なぜ異なる言葉を話しているのか知りたい

『アメリカ英語』と『イギリス英語』の文化的背景

イングランド・ウェールズ・スコットランド・北アイルランドという4つの国を合わせてイギリスと呼びます。

つまり『イギリス英語』とはあくまで外国から見た英語の総称

南部と北部ではまったく異なるイントネーションで話すので、一括りにはできないのです。

そんなイギリス英語の標準とされるのが、昔の上流社会級が使用していた『容認発音(クイーンズイングリッシュ)』と呼ばれる発音です。

ただしこの発音を実際に使う割合は、全人口の数パーセントにすぎません。

決してイギリス人全員がこのような発音をするわけではありません。

そしてイギリス英語はイギリスだけでなく、

  • オーストラリア
  • ニュージーランド
  • 南アフリカ

など、かつてイギリスが植民地としていた国でも広く話されています。

アメリカ英語よりイギリス英語の方が話されている国数では多い一方で、話者数はアメリカ英語の方が多いと言われています。

なぜなら、アメリカが第2次世界大戦以降、経済的な覇権を握ってきたから。

ひげさん
ひげさん

そのような理由で、戦後アメリカの影響を大きく受けた日本でも、学校教育で習ってきたのはアメリカ英語だったわけですね。

アメリカ英語とイギリス英語、どちらを勉強すれば良いのか

イギリスに留学する予定がある等、特別な理由がないかぎりアメリカ英語を学習すれば問題ないです。

学校教育はすべてアメリカ英語であるため馴染みがあり、より習得しやすいからです。

とはいえ

  • 「イギリスの文化が好き!」
  • 「イギリスの映画を100%理解できるようになりたい!」

など強い興味があれば、イギリス英語を学習するのも良いです。

また、TOEIC 試験を目指している場合もイギリス英語に聞き慣れておいた方が良いでしょう。

TOEIC はリニューアル後、アメリカ英語だけでなくイギリス英語・オーストラリア英語などの音声を使用しているからです。

アメリカ英語とイギリス英語の違い

発音の違い

アメリカ英語とイギリス英語の発音には、多くの違いがあります。

もっとも分かりやすい違いは、”r” の発音のしかたです。

日本人が習ってきたアメリカ英語の ”r” の発音は、舌を巻くようなはっきりとした発音でした。

しかし、イギリス英語の場合、舌を巻かずに発音します。

発音するのは母音が次に続く場合のみとなります。

説明のみだとイメージしずらいと思いますので、YouTube 動画を紹介します。

この動画ではアメリカ代表のトランプ大統領と、イギリス代表のメイ首相の発音を題材にしています。

大げさに言うと、

  • “hard” がアメリカ英語だと「ハールド」のように、イギリス英語だと「ハード」のように聞こえる
  • “work” がアメリカ英語だと「ワールク」、イギリス英語だと「ワーク」のように聞こえる

のが確認できましたでしょうか。

また、“t” の発音についても特徴的です。

アメリカ英語の「t」は会話のなかでの発音が「d」に近くなります。

たとえば better は「ベダー」、butter は「バダー」のように発音します。

イギリス英語の場合は「ベタ」「ブタ」のように、「t」をしっかり発音して話します。

そして、場合によってアメリカ人は「t」をほとんど発音しません。

たとえば twenty という単語は、アメリカ英語では「トゥウェニー」のように発音されますが、イギリス英語ではカタカナの「トゥウェンティー」のようにはっきりと発音されます。

分かりやすい例が、water という単語です。

water はアメリカなら「ワラー」、イギリスなら「ウォーター」のように発音されます。

こちらも動画を参照してください。

betterとwaterの発音の違いがお分かりになりましたでしょうか。よく聞いてみてくださいね。

こちらの動画ではオーストラリア英語との違いについても紹介されています。
オーストラリア英語はイギリス英語を元にしていますが、わずかに違いがありますね。

ちなみにこのチャンネルは以前下記の記事で紹介した 『English with Lucy 』です。

登録者400万人を超えるチャンネルで、イギリス英語が話されています。

単語の違い

同じフレーズでも、アメリカ英語とイギリス英語で表すものが違う場合があります。

代表的なものを紹介しますね。

クッキー
イギリス英語  biscuit 
アメリカ英語  cookie

アメリカ英語でいう biscuit は、スコーンのようなパン類を表します。

フライドポテト
イギリス英語  chips 
アメリカ英語  french fries

アメリカ英語の chips はポテトチップスのこと。

ポテトチップスはイギリス英語で crisps といいます。

ズボン
イギリス英語  trousers 
アメリカ英語     pants

イギリスで pants というと下着を表します。

日本語の「パンツ」の意味は徐々にイギリス式からアメリカ式と変遷しているようですね。

1階
イギリス英語  ground floor  
アメリカ英語  first floor

日本人にとってなかなか慣れないのがこちらの表現ですね。

イギリス人やオーストラリア人にとっての『1階』は ground floor で表すため、『2階』が first floor となります。

エレベーター
イギリス英語  lift 
アメリカ英語  elevator

イギリスで ”elevator” と言ってもなかなか通じないので、ご注意ください。

サッカー
イギリス英語  football  
アメリカ英語  soccer

アメリカで “football” といえばアメフトのことを言います。

ゴミ
イギリス英語  rubbish 
アメリカ英語  garbage 

ガソリン
イギリス英語  petrol 
アメリカ英語  gas

ガソリンスタンドは「gas station」(米)、「petrol station」(英)となります。

また、イギリス英語にはフランス語の影響をうけた単語が多く見られます。

ナス
イギリス英語  aubergine 
アメリカ英語  eggplant 

ズッキーニ
イギリス英語  courgette 
アメリカ英語  zucchini 

aubergine と courgette はフランス語由来の単語です。

スペルの違い

単語のスペルにも米英で若干の違いがあります。

以下のパターンが挙げられますが、全ての単語に当てはまるわけではありません。

パターンを知っておくだけでもイギリス英語のスペルに慣れ、スムーズに受け入れられるようになるでしょう。

語尾の”er” と”re”
日本語アメリカ英語イギリス英語
センターcentercentre
映画館theatertheatre
リットルliterlitre

語尾の”ze” と”se”
日本語アメリカ英語イギリス英語
悟るrealizerealise
組織organizeorganise
分析するanalyzeanalise

単語中の”or” と”our”
日本語アメリカ英語イギリス英語
colorcolour
行動behaviorbehaviour
お気に入りのfavoritefavourite

これ以外にも細かい単語の違いはたくさんあります。

文法の違い

have

イギリス英語では、have をよく使います。

「シャワーを浴びる」は “take a shower” と習いましたね。
ところがイギリス英語の場合、have a shower と言います。

また、現在完了形の”have” も非常によく使われます。

たとえば「傘は持っていますか?」という文の場合

  • アメリカ英語 ⇛ Do you have an umbrella?
  • イギリス英語 ⇛ Have you got an umbrella?

となります。

学習者ぴよ
学習者ぴよ

ひげさん、ちょっと質問!

「have+過去分詞」なら “have gotten” じゃないの?

ひげさん
ひげさん

よく気がつきましたね。

イギリス英語では多くの場合、 “get” の過去分詞は ”got” が使われます。そのためhaveの現在完了形でも “have got” と表現するのです。

sorry

イギリス人が使う”sorry” は「ごめんなさい」の意味だけではなく、

  • 「すみません、どいてください」

  • 「何? 聞き取れませんでした」

  • 「失礼します」

などの意味としても使われます。

また、イギリス人は他の人にぶつかられても「sorry」という風習があります。

なんでも「すみません」と誤ってしまう癖のある日本人と共通する部分がありますね。

fancy

“fancy” はアメリカ英語では「高級な」、「立派な」という形容詞としてのみ使われています。

ところがイギリス英語では、動詞としても使われ、「欲しい」・「したい」という意味になります。

  • fancy a biscuit.  私はクッキーが食べたい。
  • Do you fancy a game of tennis next Friday?  次の金曜、テニスをしませんか?

もうひとつの意味として「好き」という恋愛表現にも使われます。

I fancy you.  あなたが好きです。

このフレーズを含むさまざまな「好き」の表現については、下の記事で紹介しています。

他にも

  • 「素敵な」という意味を表す ”lovely
  • 「ありがとう」や「またね」を表す”cheers” 

なども、イギリス英語における象徴的なフレーズです。

まとめ:アメリカ英語とイギリス英語の違いを楽しもう

アメリカ英語とイギリス英語の違いを、単語・文法・スペル 3つに分けて紹介しました。

これ以外にも、時間の表し方やイディオムの違いなど、細かい違いはたくさんあります。

また同じイギリス英語圏の国、オーストラリアやニュージーランドでは、また少し異なった独自の英語文化があります。

インドやシンガポールの英語もイギリス英語を元にしていますが、さらに個性の強いものとなっています。

同じ英語でありながら、国によって違いがあるというのは興味深いですね。

言語にまつわる歴史の流れや文化の違いを頭に入れることで、英語という言語への理解をより一層、深めることができるはずです。

ひげさん
ひげさん

最後までお読みいただきありがとうございました!

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