英語を話しても、なんだかいつも同じようなことを言っている気がするよ。
何かもっとこう、「英語を話してる!」って雰囲気がでる秘訣があったら教えてほしいな。
なるほど。英語表現が単調になっているということですね。
クッション言葉を覚えてみるのはいかがでしょうか。
ワンフレーズを加えるだけで文全体が丁寧になったり、洗練された響きになったりして便利ですよ。
そう、そういうのが知りたかったんだ。教えてひげさん!
- 英語のクッション言葉が知りたい
- いつも決まった英語表現ばかりを使っていて、単調になっている
- 英会話をより自然に、スムーズにする表現を知りたい
もくじ
クッション言葉とは、ビジネスや日常生活で使われる緩衝材のような役割を担うフレーズのことを言います。
枕詞(まくらことば)とも呼ばれ、表現を和らげることで言葉のトゲを取る作用があります。
日本語で例を挙げると
- 「恐れ入りますが」
- 「申し訳ございませんが」
- 「よろしければ」
といった表現が当てはまります。
一言添えて丁寧さを加えることにより、周囲とのコミュニケーションを円滑にする作用があるわけですね。
謙譲語や尊敬語がある日本語ほど複雑ではないものの、英語にもさまざまなクッション言葉があります。
たとえば上司に残業をするように言われた際、
I can’t work overtime today.
今日は残業できません。
とだけ返答すると、そっけない印象を与えてしまう可能性があります。
そこでクッション言葉を加えます。
I’m afraid, I can’t work overtime today.
すみませんが、今日は残業できないのです。
とI’m afraid (すみませんが)を加えることで、「お役に立てず申し訳ない」というニュアンスが伝わるというわけです。
クッション言葉をたくさん知っていると、より自然に、ストレスなく会話を続けられます。
日常生活でもビジネスシーンでも役立つ、便利なフレーズを覚えていきましょう。
まずはビジネスで主に使われるクッション言葉についてです。
代表的なフレーズと例文を、状況別に紹介しますね。
ビジネスシーンで相手に何かを頼みたい時には、
「Please ~. ~してください」
と直接的な言い方はせず、やや遠回しに依頼をする言い回しをするのが一般的です。
特に上司や顧客を相手に話すときには、クッション言葉を加えることを意識してみると良いでしょう。
例文を4つ紹介します。
① I would appreciate it if you could ~. もしよろしければ~して頂けるとありがたいのですが…。
I would appreciate it if you could advise me about where to apply.
もしよろしければどこに申し込めば良いかをご教示頂けるとありがたいのですが…
② Would you kindly ~? お手数ですが
Would you kindly write your e-mail address?
お手数ですが、メールアドレスをご記入いただけますか?
③ I’m sorry for the inconvenience, but ~. お手数をおかけいたしますが
I’m sorry for the inconvenience, but I appreciate your cooperation.
お手数をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願い致します。
④ I was wondering if you could ~. ~して頂けるとありがたいのですが…
I was just wondering if you could possibly send me any information about the product.
その商品の情報を私に送ってもらえると助かります。
フォーマルな会話では、自分の考えをダイレクトに述べて意見を押し付ける印象を与えないような表現が必要とされます。
① It seems that~ ~だと思うのですが ~のようですが
It seems that the plan didn’t work out.
その計画は上手く行かなかったようです。
② In my humble opinion, 私の意見を言わせて頂くと…
In my humble opinion, it’s not going to happen.
私の意見を言わせて頂くのなら、それは実現しないでしょう。
相手に対して反対意見を述べるときも、ダイレクトな反論は避けます。
① Perhaps we should… ~したほうが良いのではと思います。
Perhaps we should make some serious changes.
大きな変更を加えた方が良いかと思います。
② I see your point, but … あなたの仰っていることは分かりますが…
I see your point, but I think it’s too harsh.
仰ることは分かりますが、厳しすぎると思います。
これらのクッション言葉を使うことで、相手の意見を尊重しながら、自分の意見を主張することができるのです。
補足: filler (フィラー)
- Well, ええと…
- You know, ほら
- So, あの…
などの filler(間を埋めるフレーズ)もクッション言葉に含まれます。
fillerについては下の記事で詳しく紹介していますので、チェックしてみてください。
ではここから、日常生活で役立つクッション言葉を紹介します。
ビジネスシーンほど厳格ではないですが、日常会話でも基本的には同様。
ワンフレーズを加えることで、あなたの英語はより英語らしく、生き生きとしたものになるはずです。
『何かよくないこと』を伝える前に緩衝材として使うフレーズです。
So.., how did it go? で、どうだった?
Well…, unfortunately she has a boyfriend.
ええと、残念だけど彼氏がいるんだって。
Oh my gosh! なんだって!
「知っていると予想はつくけど、念のため」というニュアンスを伝えるクッション言葉です。
ネイティブの会話で頻出なので、覚えておいて損はないですね。
So, what do you want me to cook tomorrow?
明日は何を作ってほしい?
Anything would be fine !
Oh, just so you know, I’m allergic to eggs.
何でもいいよ! あ、一応言っておくけど俺は卵アレルギーだからね。
Of course I know! No worries.
もちろん知ってるわよ! 心配しないで。
海外ドラマ 『FRIENDS』から、会話例を紹介します。
発言者であるフィービーは独特の世界観をもつキャラクターということを踏まえて観てください。
通常は
I wish I could, but I need to work.
行きたいのはやまやまなんだけど、仕事しなきゃいけないの
などと I wish I could のあと「行けない理由」を説明するのですが、
フィービーは
I wish I could, but I don’t want to
行けたら良いんだけど、行きたくないの
と正直に言っているのが面白いですね。
FRIENDS を題材とした英語学習は、下の記事で紹介しています。
相手の発言を受けて、話題をスムーズに変える便利なフレーズです。
使い方は主に2種類。
- Speaking of 〜,
- Speaking of which,
それぞれ説明しますね。
相手の発言のうち1フレーズを取り上げ、話題転換をする枕詞です。
That’s my favorite movie of all time!
それが一番大好きな映画なんだ!
Speaking of movie, have you watched “Love Actually”?
映画といえば、『ラブ・アクチュアリー』は観たことある?
相手の発言のトピック全体をもとに話題転換をする枕詞です。
I’ll be in Italy at this time next week! I’m super exited!
来週のこの時間にはもうイタリアにいるんだ。楽しみだよ!
Have fun mate!
Oh, speaking of which, don’t forget your passport again!
楽しんで!
あ、そういえばまたパスポート忘れないようにね!
批評やアドバイスについてあまり自信がないとき、断定を避ける用途として便利なクッション言葉です。
I’m no expert もしくは I’m not an expert 、どちらでもOK。
I’m probably wrong, but… たぶん違うと思いますけど…
という言い方もできます。
I’m no expert, but I think you should jump higher.
専門家じゃないから何とも言えないけど、もっと高くジャンプしたほうが良いんじゃないかな。
少し言い過ぎかな? というような内容を伝えるときにクッションとして使えるフレーズです。
Don’t take this wrong way, but… 変に受け取らないで聞いて欲しいんだけど…
という似た表現もあります。
No offence, but I think he doesn’t deserve you.
悪く言うわけではないけど、きみは彼にはもったいないと思うよ。
happen to + 動詞の原形 で「たまたま、偶然」という意味になります。
I happened to meet her at the library last week.
先週図書館で偶然彼女に会った。
I saw her at the library であれば単純に「図書館で彼女に会った」ですが、
happened to が入ることで “偶然”という部分が強調されます。
また、Do you happen to ~ と疑問形にすると「ひょっとして」という意味となります。
ストレートに聞くよりも控えめで柔らかい表現になりますね。
Do you happen to know Keiko?
ひょっとしてケイコを知ってる?
事実を述べるだけでなく、「~らしい」という一言を加えることでやんわりとした口調になります。
悪い知らせを伝えるときに使うと、聞き手の理解を得やすくなります。
We will apparently have to change the travel plans.
どうやら旅行の計画を変更しなくてはならないみたいだ。
今から言うことに確信はないけれど、自分の知っている範囲内で答えると…というニュアンスを表します。
How’s Tomoko doing by the way?
そういえばトモコはどうしてる?
As far as I know, she quit the job and went back to her home town.
ぼくの知るかぎりでは、仕事を辞めて田舎に戻ったはずだよ。
相談を受けてアドバイスするとき等に使える表現です。
「もし自分ならこうする」と、相手と同じ立場であった場合を想像するニュアンス。
I can’t stop thinking about her. I can’t sleep..
彼女のことを考え出すと止まらなくて。夜も眠れないんだ…。
You know what, you have to go for it.
If I were you, I would tell her the honest feelings.
あのさ、行かなきゃダメっしょ。もしぼくが君なら、彼女に正直な気持ちを伝えるけど。
ビジネスや日常生活で使われるクッション言葉を紹介してきました!
「英語はダイレクトに YES と NO を伝える言語」というイメージがあるかもしれません。
確かに日本語に比べれば比較的その傾向はありますが、結局は他者への敬意が大切。
日本語同様、クッション言葉により直接的な言い方を避けて相手を気遣う文化があることがそれを物語っているのではないでしょうか。
今回紹介したフレーズを頭に入れ、普段の会話で練習をしてみると英会話の印象がグッと上がるはずです。
ぜひ活用してみてください!
最後までお読みいただきありがとうございました。