こんにちは! 突然ですが、ぴよさんは外国人のジョークでよく笑うことがありますか?
あ、ちょうどひげさんに相談しようと思ってたんだ!
なんかアメリカンジョークって何が面白いのか、いまいちよく分からないことが多くて。
外国人と話してても、8割は愛想笑いをしてる気がするよ。
やっぱりお笑いは、日本が一番じゃないのかな。
・英語のジョークで笑えない
・外国人のユーモアのセンスが分からない
・英語でのジョークを理解して、外国人とのコミュニケーションを円滑にしたい
もくじ
まず、英語圏での一般的なユーモアの例としては、
・ナンセンスジョーク
・パロディ
・時事ネタ
などがあります。スタンドアップコメディなどで見たことがある方も多いはず。
でもあなたは、これらが面白いと思ったことがありますか?
あまりないのではないでしょうか。
以前は私も、海外コメディなどがTVで流れていても面白さがいまいち理解できませんでした。
わざとらしく付け足された笑い声。
誇らしげな顔をしてジョークを飛ばす話者。
「今の発言のどこが面白いんだろう」
「やっぱり外国人と日本人は笑いのツボが違うのかな」
などと感じていたのを覚えています。
結論からいうと、我々日本人にとってそういった英語のユーモアの多くが理解できない理由は
「Hidden meaning」にあります。
Hidden meaningとは「表面上の意味とは別にある、隠れた意味」のこと。
つまり我々の多くはふたつの意味のうち、表面上の意味しか理解できないため面白さが分からないのです。
文章の意味は分かっていても、なぜ面白いのかが分からないという状態ですね。
ではHidden meaningとは、具体的にどのようなものなのでしょうか。
『Between two ferns』という番組を紹介します。
こちらは映画『ハングオーバー』で有名な俳優 Zach Galifianakis による、架空の番組です。
毎回豪華ゲストを招いて、ひたすら無礼なインタビューをするのが恒例です。
ブラッド・ピットとのインタビュー終盤に出てきたのがこの会話。
“Is it hard for you to maintain a suntan?” 日焼けを維持するのは大変じゃない?
“Why?” なぜ?
“Because you live in your wife’s shadow.” 奥さんの影に隠れて生きているから。
解説すると、当時のブラッド・ピットの奥さんはアンジェリーナジョリー。
“shadow”という単語で文字通りの影という意味の裏に、
「活躍している彼女の陰に隠れている」
という皮肉を表しています。
この番組では毎回ゲストが怒りを通り越して呆れる(もちろん演技です^^)ような質問を繰り広げるのですが、なかでもブラッド・ピットの回は非常に人気があります。
最後には
“people focus too much on your looks and don’t even realize that you’re a shitty actor…”
みんなあんたのルックスに集中しすぎて、あんたがひどい俳優だということに気付かないけど…
という強烈な質問(というよりも意見の押し付け)が飛び出します。
それに対するブラピの反応にも注目ください。
このような Hidden meaning を使ったジョークを聞いた際、表面上の意味しか理解できないと、笑いに重要なもうひとつの文脈に気づかず、困惑することになります。
shadow のように簡単な単語であれば問題ないかもしれませんが、難しい単語をふたつの意味で使ったジョークを一瞬で理解するとなると、なかなか至難の業。
それでも相手の文化的バックグラウンドや歴史的背景を理解する努力をかさねていけば、理解できるユーモアが徐々に増え、自然に笑えるようになっていきます。
まずはこの記事を通じ、英語圏のユーモアについて事前知識を深めていきましょう。
英語のユーモアにおいて、重要なキーワードとなるのが「サーカズム」です。
サーカズム(sarcasm)とは、皮肉や嘲笑的な意味を持った言葉や表現のことを指します。
あえて物事をわざと真逆に言うことにより、深刻さを減らしたり、風刺したりすることができるのです。
注意して会話を聞いてみると、TV番組などでのネイティブ同士の会話ではサーカズムが頻繁に使用されていることが分かるはず。
サーカズムは、話を華やかにしたり、単調で表面的になりがちな会話に彩りを添えるためために大切な要素です。
それを理解することで、英語コミュニケーションをより楽しく、自分自身もより活発な会話ができるようになります。
ただし、サーカズムは相手の感情を害する場合もあるため、使用する際は注意が必要です。
サーカズムの具体例
代表的なサーカズムの例を紹介します。
たとえば、
「素晴らしい天気ですね(It’s amazing weather, isn’t it?)」
というフレーズ。
このフレーズをそのまま快晴の日に使っても、ジョークにはなりません。
土砂降りなどの荒れた天気のときに使うことで、皮肉的なジョークとなります。
この感覚は、日本人にも分かるはず。
その際、トーンやボディランゲージも重要な役割を果たします。
うんざりしたトーンや表情で「素晴らしい天気ですね」というセリフを言うことで、意図が明確になるのです。
サーカズムの会話例
では実際の会話例で、サーカズムがどのように使われているのかを見ていきましょう。
シチュエーション別に紹介していきます。
Wow, this traffic is just fantastic. I just love sitting in my car for hours on end.
この交通状況は素晴らしいね。何時間も車に座っているのがたまらなく大好きだ。
Yes, it’s the highlight of my day.
うん、僕の1日のハイライトだよ。
This party is so much fun. I’m having the time of my life.
このパーティーはとても楽しいね。人生で最高の時間を過ごしているよ。
Me too. I just love being stuck in a crowded room with loud music and no personal space.
私も。混雑した部屋で、大音量の音楽と個人スペースのない状況に囲まれているのが大好きですね
I’m so glad I have to work on the weekend again.
週末にまた仕事をするのが楽しみだよ。
Yes, there’s nothing like giving up your only two days off to sit in an office all day.
はい。貴重な休日の2日間を失い、1日中オフィスにいることが本当に楽しみですね。
ネガティブな状況に対するサーカズム(皮肉)に対し、これまたサーカズムで応対しています。
なんとなく感覚が分かりましたでしょうか。
このように基本的にはネガティブな状況で、あえて逆のことを言うことで気を紛らわせるための会話といった使い方をされます。
日本人にはあまり馴染みのない表現なので、慣れるまでは難しいかもしれませんね。
文化背景によっても、ユーモアに対する考え方が異なります。
個人差が大きいとはいえ、たとえばイギリスのユーモアは、アメリカのユーモアとは異なります。
アメリカでは、ユーモアはより直接的で、動きをつかったコメディや巧妙な”Hidden meaning”を操ることが多いです。
一方イギリスのユーモアは、より自虐的であるとされています。
皮肉やサーカズムを頻繁に用い、アメリカのユーモアよりも政治的な題材を扱うことも多いです。
また、王室や国の歴史などの文化的な象徴も揶揄することがあります。
先ほどはアメリカのジョークについて観てもらったので、今度はイギリスのジョークの例を観てみましょう。
イギリス出身コメディアンの代表格的存在なのが、Ricky Gervais。
彼がプレゼンターを務めた、2020年のゴールデングローブ賞授賞式の様子がこちらです。
一番初めのセリフから、とても自虐的です。
You’re all be pleased to know this is the last time I’m hosting these awards,
so I don’t care any more.
私がこういった祭典でホストを務めるのも今回が最後なので、今後はどうなるか気にしないことにします。
Um, I’m joking. I NEVER DID. 嘘です。気にしたことなど一度もありません。
2分53秒頃~のセリフも、いかにもイギリス的で強烈です。
No one cares about movies anymore. No one goes to cinema, no one really watches network TV. Everyone is watching Netflix. This show should just be me coming out, going, “Well done Netflix. You win everything. Good night.”今や誰も映画なんかどうでもいいのです。映画館なんて誰も行かないし、ネットワークTVなんて誰も見ていない。今は皆Netflixを見ているんです。今回の授賞式はこう始まるべきなんです「ネットフリックスさん、お疲れ様でした。全ての賞で受賞です。おやすみなさい」とね。
この授賞式での前説は、実に5000万回を超える再生数を誇るほど人気があります。
客席にいる、名だたるハリウッドスター達の表情を観察するのも面白いですね。
英語でのジョークやユーモアを楽しむためには、まずはそれがジョークであると認識することが大切です。
会話に慣れ、練習を重ねることで、「どういった表情や状況のときにジョークを言うのか」といったセンスを伸ばすことができます。
英語のジョークには、文字通りのものから、冗談を聞いて初めてわかるものまで、様々なタイプがあります。
英語圏の文化や、ジョークの背景についての知識が増えると、より理解度が深まります。
英語のジョークを認識し、楽しめるようになるための3つの方法は以下となります。
・コメディ映画・テレビ番組を観る
・ユーモアセンスを持った人との会話に参加する
・自分でジョークを作ってみる
このように練習を積んでいけば、日本人でも英語ユーモアを理解し、楽しむことができるようになります。
ここでは代表的なテレビ番組として、人気ドラマ『FRIENDS』より、具体的な会話例を紹介します。
それぞれどこに笑うポイントがあるのか、確認しながら見ていきましょう。
先に映像と英文、あとで解説と訳文を載せています。
場面①:高級レストランにて。金欠のRachelは、どの料理も高いのでやけになってウェイターに注文する。
Rachel “Okay, I will have the side salad. “
Waiter “And what would that be on the side of?”
Rachel “I don’t know. Why don’t you just put it right here next to my water. “
場面②:Chandlerの髪を切ってあげるKathy(当時のChandlerの彼女)。
Kathy: “You have really great hair.”
Chandler: “Well thanks, I grow it myself.”
場面③:料理の下手なRachelが、サンクスギビング(感謝祭)のデザートを担当することに。
Rachel: Technical question. How do you know when the butter is done?
Monica: Well, it’s done about two minutes before it looks like that.
場面①の訳:高級レストランにて。金欠のRachelは、どの料理も高いのでやけになってウェイターに注文する。
Rachel “Okay, I will have the side salad.” OK、じゃあ私は「サイドサラダ」で。
Waiter “And what would that be on the side of?” あの、何のサイドにつけるんでしょうか?
Rachel “I don’t know. Why don’t you just put it right here next to my water. “ 知らないわよ。私の水の横にでも置いておいたら?
解説:Rachelがあまりにも金欠だったため、目についた一番安いメニューである「サイドサラダ」を注文しました。しかしご存知のとおり、サイドメニューにはメインとなる注文が必要。sideという単語で「副菜」と「サイドメニュー」のふたつの意味を表すことを利用したところに笑いのポイントがあるというわけです。
場面②の訳:Chandlerの髪を切ってあげるKathy(当時のChandlerの彼女)。
Kathy: “You have really great hair.” あなたの髪ってホントに素敵ね。
Chandler: “Well thanks, I grow it myself.” おお、ありがとう。自分で生やしたんだ。
解説: 会話のほとんどをまともに答えず、サーカズムで返すのがChandlerの流儀ですね。あまり解説はいらないかもしれませんが、髪は自分で育てようとしなくても勝手に生えてくるもの、というのがポイントです。
場面③の訳:料理の下手なRachelが、サンクスギビング(感謝祭)のデザートを担当することに。
Rachel: Technical question. How do you know when the butter is done? 技術的な質問なんだけど。バターが溶けたってどうなったら分かるの?
Monica: Well, it’s done about two minutes before it looks like that. えーっとね、今の状態になる2分前に出来上がってたわね。
解説:日本語と英語のジョークの相性が悪い理由のひとつが、語順にあります。料理の初歩についての質問にMonicaは「出来てたわよ。2分前にね。今の状態になる。」←英語の語順どおりに表記
と、最後にオチをつけています。なので日本語訳を見ても、英語の感覚とは少し異なるわけです。
英語教材としてもたくさんの人が薦めているFRIENDSでは、このように笑えるポイントがいくつもあります。
何よりドラマとしても素晴らしい作品ですので、未見の方はぜひチェックしてみてくださいね。
海外ドラマで英語学習なら、FRIENDS(フレンズ)が最強すぎる6つの理由!英語のジョークがどうしても笑えないと感じるときには、次のような方法を試してみてはいかがでしょうか。
・英語力の基礎を向上させる
英語のジョークを理解できるようになるには、基礎となる単語やフレーズをしっかりと理解することが重要です。
英語を学習するために本や動画を見たり、スピーキングの練習をすることが大切です。
・相手の文化を理解する
英語圏の文化や価値観を知ることが、英語のジョークを理解する上で重要です。
相手の文化や歴史についてより深く知ることで、ベースとなる知識が出来てきます。
・英語圏の人とコミュニケーションをとる
英語圏の人とコミュニケーションをとることで、英語のジョークに慣れることができます。
会話の実践をしながら、ジョークの意味や使い方について学ぶことができます。
海外旅行や留学などで積極的に現地の人とコミュニケーションを取ってはいかがでしょうか。
また、今後は日本に来る外国人が大幅に増加することも予想されます。
「いきなり外国人と会話するのはハードルが高い…」と感じる方はオンライン英会話から始めてみるのもおすすめです。
オンライン英会話のメリットとデメリット16選!【スクール型英会話教室と比較】・困ったときのフレーズを覚える
これからの実践の場で、周りはみんな笑っているのに自分だけ何がおかしいのかわからず、一緒になって笑えない。
そのような場面もおそらく出てくるでしょう。
そんなときに使えるフレーズも紹介します。
I don’t get it. 何が面白いのかわからないな。
I don’t get your point. 笑うポイントがわからないよ。
このgetは、understand「理解する」という意味で使われています。
これらのフレーズはジョークが理解できなかった場合に限らず、「映画の内容がわからない」「あなたの言っている意味がわからない」など、広い用途でカジュアルに使うことができるので、覚えておくと便利でしょう。
t
今回の記事では、英語のユーモアやジョークを理解し、楽しむために必要なことについて、多くの具体例とともにお伝えしました。
外国人と話すときには、言葉が分かるだけではなく笑いのツボなど相手の感性も理解できていれば、コミュニケーションを上手に進められます。
英語の勉強をしながら、ときにはこういった英語のジョークも学び、外国人の感性を学んでみてはいかがでしょうか?
英語ユーモアを理解し楽しむことは、英語会話の一部を楽しむことができるだけでなく、コミュニケーション能力向上にもつながります。
この記事を読んでいただくことで、英語ユーモアをより理解し、楽しむことができるきっかけになることを願っております。
最後までお読みいただきありがとうございました!