ひげさんのおすすめもあってオンライン英会話を始めてみたんだけど、話すことがどうしても単調になってしまうんだよね。
表現の幅をもっと広げたいな。
ぴよさんはまだまだ成長過程なので、これからですよ!
話すことに慣れてくると、自分のなかにあるボキャブラリーから適切な表現をスムーズに取り出せるようになってくるはずです。
そのためにも、より多彩な英語表現を目にしてストックしておきましょう!
今回は「多彩」という言葉どおりに、『色』をテーマにした慣用句やイディオム表現を紹介します。
9色分のカラーパターンと、31通りの慣用句・例文を紹介していくので大容量です。
休憩しながら進めていってくださいね!
- 色を使ったイディオムや慣用句を知りたい
- さまざまな場面に応用できる英語表現を知りたい
- 人間の微妙な心情を言葉にしたい
もくじ
英語には色を使ったイディオムや慣用句がたくさんあります。
たとえば人間の心情を表すイディオム。
日本語でも「腹黒い」や「今日の気分はブルーだ」などと言いますね。
伝えるのが難しい人間の心情や、ぼんやりとしたイメージを色を使うことによって言葉にできるのです。
それぞれの色にはそれぞれのイメージがあり、人間の複雑な心境を表すのにぴったりというわけですね。
他にも日本語でいう「青二才」や「赤っ恥」のように、色を用いた多彩な表現は数多く存在します。
色のもつイメージが日本と異なるものもあるので、その違いを意識しながら見ていくと良いでしょう。
BLUE
青空・海などに加え憂うつなどのイメージをもちます。これは日本と同様ですね。
日本と異なるのが、青は欧米では卑猥な色としても認識されているのです。
たとえば日本でいう“ピンク映画”のことを blue film と表します。
意味:きわめてまれに
「ブルームーンくらい珍しいこと」という意味になります。
ブルームーンとは『1ヶ月のなかで2度目に迎える満月』のこと。
数年に一度しか見られない、珍しい現象です。
My brother lives in London, so I only see him once in a blue moon.
私の兄はロンドンに住んでいるので、めったに会えません。
意味:思いがけなく、突然
直訳すると「青の中から」となります。
『the blue』は空のことを表し、「晴れた空からいきなり雷が落ちてくるくらい予想外」というのが由来となりました。
a bolt from the blue 青天の霹靂
という表現もあります。
My grandmother came to visit out of the blue.
おばあちゃんが何の予告もなく、突然訪ねてきた。
意味: 何かで悲しむこと、落ち込むこと
日本語でも「ブルーな気持ち」や「ブルーな日」という表現をしますね。
英語でも同じように表すことができます。
feel down 落ち込む
という類似表現もありますので、合わせて覚えておくと良いでしょう。
I have been feeling blue ever since I have heard that my daughter will be moving abroad.
娘が外国に移住すると聞いてから、私はずっと落ち込んでいる。
意味:貴族家系の出身、お金持ち
実際に貴族の家柄ではなくても、お金持ち全般を表す際に使えます。
ヨーロッパの王族に共通する特徴として“白く透き通った肌に青っぽい血管が見える”というものがあったため、この表現が生まれたのだそうです。
A blue blood probably could never understand the pain of being homeless.
裕福な人たちはホームレスの辛さなど到底理解できないだろう。
意味:憂鬱な月曜日
「楽しい週末が終わって仕事や学校などに行かなくてはならない平日の始まりが憂鬱だ」という表現です。
日本人にも馴染みのある心境のはずなので、すんなりと理解できるのではないでしょうか。
Pop music industry is a very significant part of ” Blue Monday “.
ポップミュージック界は、非常に重要な「憂鬱な月曜日」の局面にある。
意味:消え失せる
ここでいうblueは「海」を表し、「海のような広くて深い場所に潜ってしまったらどこに行ったかわからない」というニュアンスですね。
そこから「跡形もなく消え失せる」、「完全に消える」という意味になります。
よくvanish や disappear と一緒に使います。
Those boys skipped two months rent then vanished into the blue.
その少年たちは2カ月間の家賃を滞納して、突然姿を消した。
RED
情熱・愛・生命力・太陽などのアクティブな印象がある色である一方で、戦争・暴力・死などネガティブなことも連想させる色です。
日本と同様に、血気盛んな力強いイメージがありますね。
また、日本では女性=赤(男性=青)のイメージを持つことも多いですが、これは日本独特のものとなります。
意味:どんちゃん騒ぎする
直訳すると「町を赤く塗る」となりますが、実際にそうするわけではありません。
「お酒を飲み、騒ぎながら町に繰り出す」という意味を表します。
日本語でいう「今日はパーッと飲みに行きましょう!」というようなニュアンスですね。
由来は諸説あるのですが、昔のアメリカ人がお祝いの時に焚き火や花火をしたというのが元になったという説が有力だそうです。
He’s getting old and can’t paint the town red like he used to.
彼も歳を重ねたので、以前のようにどんちゃん騒ぎは出来なくなった。
意味:(会計における)赤字、欠損
in the red は「赤字で、赤字経営で」という意味で、反意語はin the blackです。
日本語と同じなので、覚えやすいですね。
通常 be in the red(赤字になる)、または go into the red (赤字に転じる)という使い方をされます。
A further reduction would make us go into the red.
これ以上の値引きは、私たちを赤字に追いやるでしょう。
意味:現行犯逮捕する
直訳は「赤い手の人を捕まえる」。
「赤い手」とは、手に血が付いている状態。
ただし、それは比喩であり、逮捕する相手が殺人や傷害の犯人に限定されるわけではありません。
He was stealing the car when the police drove by and caught him red-handed.
警察がやって来て現行犯逮捕したとき、彼は車を盗んでいた。
意味:危険信号
red flag は直訳すると赤旗ですが、日常会話では「危険なこと」や「警戒すべきこと」を表す比喩表現として使われます。
何か怪しいと感じたり、やめた方がいいと思われるような状況で使われる表現です。
Ben asked me again if he could borrow money from me.This is the third time in this month.That’s a red flag.
ベンはまたお金を借りれるかと聞いてきた。今月3回目だよ。それは危険信号だ。
意味:記念すべき日、おめでたい日
18世紀、記念日や祭日をカレンダーに赤字で書いたことに由来するイディオムです。
ちなみに「厄日、不幸な日」は black-letter day と表します。
こちらも18世紀に起源があり、ローマ人が厄日を黒い炭でカレンダーに印をつけたことから生まれた表現です。
The day our son was born was a real red-letter day for us.
息子が生まれた日はまさに私達の記念すべき日です。
GREEN
日本と同様に自然や環境・エコなイメージを表します。
安心・穏やかさ・調和などポジティブな印象として使われる一方で、嫉妬・拒否などネガティブなイメージを表すイディオムもあります。
意味:まったくの青二才、世間知らず
直訳すると「草のように緑」。未熟であり世間知らずであるという状態を表します。
When I left school and started my first job, I was as green as grass.
学校を出て、最初の仕事についた時、私はまったくの世間知らずだった。
意味:他の場所の方が良いように思えること。
直訳すると「垣の向こうの芝生はいつも緑が濃い」。
よその家のもの、他人のものは何でも良く見えるものだという意味を表します。
日本のことわざ「隣の芝は青く見える」と同じですね。
People always think the grass is greener on the other side, but your own back yard is just as nice.
隣の芝は青く見えてしまいがちだが、自分の裏庭も同じくらい素敵だ。
意味:ガーデニングや植物を育てる才能がある人
直訳すると「緑の親指」。
親指が緑色になるくらいに植物をいじっているところから、園芸の才能がある人のことを表すようになりました。
通常 have a green thumb という形で使います。
ちなみにこちらはアメリカ英語の表現。
イギリス英語だと have green fingers となります。緑になる指に違いがあるのが面白いですね。
My father loves gardening and has a green thumb.
父親はガーデニングが好きで、園芸の才能があるんだ。
意味:ねたむ、嫉妬する
顔色が変わるほど(緑色になるほど)羨ましがるという意味を表します。
同じ嫉妬を表す表現としては
green-eyed monster(緑目の怪物)
というものもあります。
Mike was green with envy when he saw my brand new car.
マイクは私の新車を見たとき、顔色を変えるほど羨ましがっていた。
YELLOW
日本ではどちらかというと元気・活発といったイメージのある色。
西洋文化でも希望・エネルギー・プラス思考という印象はある一方で、英語表現では臆病・卑怯という意味で使われることが多いです。
意味:臆病者
直訳すると「黄色いお腹」なのですが、英語ではこれが「腰抜け」という意味になります。
臆病なトカゲの腹部が黄色いことから、臆病者という意味になりました。
Bob was called yellow-bellied after he was too scared to go on the roller coaster.
ボブはジェットコースターを異常に怖がってから、臆病者と呼ばれた。
意味:扇情的な報道、内容をオーバーに伝える報道
発行部数を伸ばすため、事実以上に感情をあおってくるような内容の報道のことを言います。
日本でも「イエロージャーナリズム」と呼ばれています。
Yellow journalism uses exaggeration and an eye-catching title to gain attention from readers.
イエロージャーナリズムは、誇張と目につきやすいタイトルで読者の注意をひく。
PINK
優しさ・可愛らしさ・か弱さ・柔らかさなど女性的なイメージが強いピンク。
また、色っぽさや卑猥な印象もありますが、ピンクがそういった意味で受けとられるのは日本だけだそうです。
欧米では、ピンクは赤ちゃんの肌の色であることから若さや健康、新鮮さを表します。
意味:酩酊する、幻覚を見る
「お酒や薬物で幻覚が見える」ことを、実際には存在しない「ピンクの象が見える」ことに例えたイディオムです。
この表現が一般的になったのは、ディズニー映画『ダンボ』(1941年)で酔っ払ってしまったダンボがピンクの象のパレードの幻覚を見るシーンからのようです。
When I started seeing pink elephants,I knew I had to stop drinking so much.
幻覚が見え始めたら、飲むのをやめないといけないことを分かっていた。
意味:解雇通告
pink slipとは「ピンク色の紙切れ」のこと。
昔はピンクの紙を給料袋の中に入れることにより、解雇の通告を行なっていたのだそうです。その風習から生まれたイディオムとなります。
get the pink slip という形で、「クビになる」ことを表します。
I can’t believe Sam got a pink slip! He was hard-worker.
サムが解雇されたなんて信じられないよ。よく働いてたのに。
BROWN
木や土、大地といった自然を感じさせる茶色は温もりや居心地の良さといった安心感があります。
一方で保守・不毛・憂鬱という意味も持っている色です。
意味:うんざりしている
主にイギリス英語で使われる口語表現。悩ませる、イライラさせるという意味を表します。
由来については諸説ありますが、1930年代に「軍制服の真ちゅう製ボタンを磨かなかったことにより茶色く変色してしまった」ことが一説となっています。
I’m browned off with this place. There is nothing to do here.
私はこの場所にうんざりしている。何もすることがないから。
意味:ごまをする
直訳すると「茶色い鼻」ですが、「ごますりをする・おべっかを使う」という意味のイディオムとなります。
brown-noser という形で「おべっか使い」という意味を表します。
ただ、こちらは「お尻にキスする」という昔の風習が由来となっているので若干汚い言葉です。
「ごまをする」と表現するのであれば、類義語のbutter up を使うほうが良いかもしれません。
He got that promotion by brown-nosing.
彼はごますりで昇進を手に入れた。
PURPLE
気品・厳粛・崇高といった高貴なイメージとともに、神秘的でスピリチャルなイメージを併せ持つ紫。
紫は世界中で権力や宗教的地位の象徴として捉えられています。
意味:青筋を立てて怒る
日本語でも「怒りで顔が真っ赤になる」と表現しますが、英語の場合は紫で表します。
turn purple (激怒する)というイディオムも合わせて覚えておくと良いでしょう。
His face turned purple with rage.
彼は怒りで顔を真っ赤にした。
意味:貴族階級や上流の家庭の一員であること
紫は皇族や特権階級のための高貴な色とされていたのが由来です。
昔、紫の染料は貴重なものだったため、位の高い人物しか身につけることができなかったというのが背景にあるようです。
She was born to the purple. It’seems no man matches up to her in this city.
彼女は高貴な生まれだから、この町の男性誰もが不釣り合いだろう。
WHITE
純粋無垢・清潔・神聖 などプラスイメージが多い白ですが、海外では、病気・死体・幽霊 を示唆することから不吉なイメージを持つ国も多くあります。
意味:恐怖で真っ青になる
直訳すると「シーツのように真っ白な」となります。同様の意味で、
- white as a ghost(お化けのように真っ白な)
- white as snow(雪のように真っ白な)
- white as the driven snow(吹き寄せられた雪のように真っ白な)
といった慣用語もあります。
You look like you’ve just seen a ghost. Your face is as white as a sheet.
幽霊をみたような顔をしているよ。顔が真っ青になっている。
意味:自分が負けたこと、あるいは諦めたこと
白旗を振る。
赤旗が危険信号だったのに対し、白旗は降参を意味します。
They waved the white flag as a sign that they wish to surrender.
彼らは降参の意思として白旗を振った。
意味:誰も傷つけない小さなウソをつくこと
直訳すると「真っ白なウソ」。
たとえば本当は似合っていないけれど「その服、似合ってるね」と言うなど、相手を傷つけないためにウソをつくことは日本人にもありますね。
Sometimes it is better to tell a white lie than to hurt someone’s feelings.
誰かを傷つけるよりも、無害なウソをついたほうが良いときはある。
意味:無用の長物
直訳すると「真っ白な象」。
大きくて扱いにくいもの、さらには保管しておくのに高いコストがかかるものなどを表します。
昔のタイで当時貴重とされたアルビノの白い象は、皇室に献上する決まりがあったことに由来します。
白象の飼育には莫大なお金が掛かって持て余してしまうところから、厄介な長物と思われていたとのこと。
そこから「維持に費用がかかるのに、使えないもの」や「無用の長物」、「やっかいなもの」を表す際にこの表現が使われるようになりました。
She probably got one as a white elephant gift at a Christmas party.
彼女はクリスマスパーティーで、無用の長物のようなプレゼントをもらったようだ。
意味:弱音を吐く、怖気付く
直訳すると、白い羽根を見せる。
白い羽根をもった雄鶏は弱いと言われ、闘鶏に向いていないと思われていたことが由来になったそうです。
When it was time to fight, he showed the white feather and didn’t turn up.
戦うときになって、彼は怖気づいて姿を見せなかった。
BLACK
恐怖・悪・怒り・不吉 など、マイナスのイメージが強い色。
ネガティブな意味をもつ一方で、強さ・洗練・高級感を与えるイメージもあります。
意味:ひどく殴られて、あざができた状態
直訳すると、黒と青。
何かに体をぶつけたり、誰かに殴られたりすると、黒や青のあざができるからです。
Beating a child black and blue is nothing but child abuse.
子供をあざができるまでたたくのは児童虐待以外の何でもない。
意味:厄介者
直訳すると「黒い羊」。
通常の羊は白いのですが、そのなかでの黒い羊は「よそもの」「厄介者」または「家族の恥さらし」という意味になります。
They say he is the black sheep in the family. He’s always getting into trouble.
彼は家族の中の厄介者と言われている。いつも問題をおこすから。
意味:失神する
日本語でも失神することを「目の前が真っ暗になる」と表現しますね。
black outで、意識を失うこと・失神することを意味します。
また、スペースなしのblackout だと「停電」という意味の名詞となります。
I drank so much last night that I blacked out.
私は昨夜、あまりに酔っ払ったので意識を失った。
色を使った英語の慣用句・イディオムをお伝えしてきました。
9色分だったので、かなりのボリュームになってしまいましたね。お疲れ様でした。
国や文化によって色に対するイメージが異なるのは、面白いですね。
なかには日本語と似た表現もあったかと思います。
色のイメージと関連付けながら、イディオムを少しずつ覚えていってみてはいかがでしょうか。
豊かな表現力を身につけられれば、英語を話すのがもっと楽しくなります。
頑張って覚えてみてください!
最後までお読みいただきありがとうございました!