「英語を上達させるには、独り言を言うと良い」ってよく聞くけど、本当なのかな?
ぼくも何度か試してみたんだけど、何を話せばいいのか全然分からなくて続かなかったよ。
私も最初は不慣れで、一体何を話せば良いのか分かりませんでした。
それでも独り言トレーニングは『英語上達への近道』と言えるでしょう。
私にとって、スピーキングにおいて最も効果があったと確信している練習法です。
今回は独り言トレーニングの練習法と、トピック探しの方法やコツを紹介します!
- 英語で独り言をする練習のやり方を知りたい
- 独り言トレーニングのコツを知りたい
- ひとりで何を話せば良いのか分からない
もくじ
独り言といっても、ただやみくもにフレーズを言っているだけではあまり効果的とは言えません。
私がさまざまな工夫を重ねたなかで、最も効果的だと感じた方法を紹介していきます!
「独り言」とは
そもそも「独り言」とは何なのでしょうか。
自分に向かってブツブツと話すというのでも良いのですが、それだと少し実践的ではありません。
英語学習法としての「独り言」を、私は下記のように捉えています。
聞き手がいると想像して、その人に向かって英語を話すこと
リスナーは誰かひとりでも、大勢の聴衆を想像してもどちらでもOKです。
特定の友達や、家族を想像しても良いです。
聞き手がいると想定することで、
- 相手に説明する能力
- 自分を客観的に捉える能力
- 抽象的な考えをまとめ、具体的な言葉に変える能力
などが実践的に身につきます。
つまり、独り言で練習したフレーズをそのまま実際の相手にも使えるということですね。
話す内容は主に以下5つとなります(下に行くほどレベルが上がります)。
- 身のまわりの物
- 自分の行動・動作
- 自分が考えていること
- その日あった出来事
- 何かについての説明
それぞれ詳しく紹介していきます。
1. 身のまわりの物を英語で言ってみる
付近を見渡し、目に付いた物を片っ端から英語にして発声してみましょう。
ポイントは「日本語が浮かぶ前に、素早く英語を思い浮かべる」こと。
たとえば
Laptop!
statue!
schedule planner!
などなど。
この練習を重ねることにより、日本語から英語の翻訳をするのではなく英語を英語として理解するトレーニングになります。
2. 自分の行動・動作を英語で言ってみる
単語の発声に慣れてきたら、文を作るトレーニングです。
「自分が今、何をしているか」にフォーカスして、その動作を英語で発声してみましょう。
たとえば
- I’m walking to the toilet. トイレに向かって歩いています。
- I’m watching a movie. 映画を観ています。
- I’m having a lunch. ランチを食べています。
など。
現在の動作に注目するのであれば、現在進行形になるはずです。
慣れてきたら過去の行動についても話せるように、練習してみましょう。
- I cleaned my room. 部屋を掃除しました。
- I watched an interesting movie. 面白い映画を観ました。
- I had Sushi for lunch. ランチに寿司を食べました。
さて、こうして作った文は S+V や S+V+O のみのシンプルなものばかりです。
これらを出来るだけ長くして、英文らしいフレーズにしていきましょう。
ポイントは5W1Hです。
5W1Hとは、
- いつ(When)
- どこで(Where)
- だれが(Who)
- なにを(What)
- なぜ(Why)
- どのように(How)
からなる6つの要素。
これらを自分に問いかけることで、時間や場所、副詞などを足すことができるのです。
たとえば先ほどの文であれば、
- I cleaned my room thoroughly yesterday.
私は昨日徹底的に部屋を掃除した。
⇒ いつ(when)・どのように(how)
- I watched an interesting movie in my friends house.
友達の家で面白い映画を観た。
⇒ どこで(where)
- I had Sushi for lunch because I like healthy food.
ヘルシーな料理が好きなので、ランチに寿司を食べた。
⇒ なぜ(why)
のように5W1Hの要素を加えることにより肉付けでき、英語らしい文章ができます。
ぜひ試してみてください。
3. 自分が考えていることを英語で言ってみる
自分の行動について話していくと、徐々に話すことがなくなってくるのではないでしょうか。
そんな時におすすめなのが、「自分が考えていることを英語で話す」トレーニング。
あなたも何かしらの考えは常に頭のなかにあるはず。
それを言葉にするのです。
たとえば
Why am I so tired today?
Oh, I was watching YouTube till late at night.
Well, what did I watch?
…I see.I was gonna planning to learn how to make a desk from scratch but I gave up because it looks difficult.
So I watched DIY channel until late last night.
But wait, I think I should give it a try.
(訳)なんで今日こんなに疲れてるんだろ? あ、そっか昨日遅くまでYouTube を観てたからだっけ。何観てたんだっけ? あぁ、分かった。イチから机を作る方法を勉強しようとしてDIYのチャンネルを観てたけど難しそうだから諦めたんだった。ん、待てよ。やっぱりやってみるだけやってみようかな。
など、取り留めもない内容で全く構いません。
頭に次々と思い浮かぶぼんやりとしたイメージを、ひとつひとつ言葉に置き換えていきましょう。
空想の世界は無限大。ネタ切れに困ることはありません。
このトレーニングを続けると、「英語でものを考える」能力が格段にアップします。
なぜなら思考の段階でダイレクトに英語を使うから。
ゆくゆく英語脳を手にするための効率的なトレーニングとなるのです。
またこの練習によりぼんやりとした抽象的な考えをまとめ、具体的な言葉に変える能力が身につきます。
外国人と話していると
What do you think about ~?
と意見を求められることが多いですが、このトレーニングにより自分の考えをまとめやすくなるでしょう。
4. その日あった出来事を英語で話してみる
日記を書くような感覚で、寝る前に1日の出来事を英語で話してみましょう。
たとえば
Today, I woke up a bit later than usual.
I hung around with my friends in the cafe where we always get together.
It was kinda ordinal day but quite enjoyable.
(訳)今日はいつもより遅く起きたんだ。いつも集まるカフェで友達と遊んだよ。いわゆる普通の日だけど、楽しかったね。
このトレーニングを重ねることにより、「自分に起こった出来事を説明する」能力が一気に向上します。
どういうことかと言うと、たとえば外国人と会話をするとき頻繁に聞かれるのが
How was your day? 今日はどうだった?
What did you do today? 今日は何したの?
といった質問です。
その日にあった出来事を説明する能力があれば、こういった質問にも臆することなくスムーズに答えられるでしょう。
5. 何かについての説明を英語で話してみる
独り言トレーニングにおいて最も上級レベルにあるのが、「何かについて説明する」練習です。
難易度は高いですが、効果は抜群。
テーマを設定したうえで架空の相手を想像し、その人に向かってレクチャーをするようなイメージです。
たとえば「日本で英語を学ぶ必要はあるのか?」というテーマだとして、以下のように独り言をします。
Well, while living in Japan not being able to speak English does not really affect their daily lives.
But in my point of view, it’s so critical for everyone even for Japanese to study English.
There are two reasons with it.
First, because it expand your opportunities to meet with new people.It’s said that there are 1.5 billion people can speak English in the world. Which means you can communicate with one out of five people in the world if you can speak English.I think it’s amazing.
Second, knowing English increases your chances of getting a good job in a multinational company within your home country or for finding work abroad.
So I think learning English is not totally necessary for Japanese but is quite critical to study.
(意訳)えぇと、日本に住んでいる間は英語が話せないからといって日常生活に影響が出ることはあまりありません。
けれども私の視点からすると、日本人でも誰にとっても英語学習は重要です。ふたつ理由があります。
ひとつは、英語習得により、あなたが新しい出会いを得る機会が広がること。世界には15億人の英語話者がいると言われています。つまりあなたは地球上の1/5 の人とコミュニケーションが取れるようになるのです。それは素晴らしいことだと思います。
ふたつめに、英語能力があればあなたが国内の多国籍企業で働けたり、海外で働いたりするチャンスが増えるはずです。
なので、私は日本人にとっても英語学習は重要だと考えます。
このトレーニングが有効なのが、相手がいると想像していることにより実用性が非常に高いということ。
つまり実際の会話で同じような話題になれば、練習したフレーズをそのまま実際の相手にも使えるのです。
難易度は高いですが練習する価値は充分にある方法なので、ぜひ挑戦してみてください!
独り言トレーニングの方法についてはイメージを掴んで頂けましたでしょうか。
では、なぜ独り言は英語学習において特に効果的なのか。
その理由と主な効果について説明します。
日本にいながら、英語を話す環境を作りだせる
「日本を出ず外国人と話すこともないから、英語を話す機会がない…」とお悩みの方も多いかと思います。
そんな悩みを解消できるのが「独り言トレーニング法」。
海外に滞在していなくても、留学しなくても英語を話す環境を作りだすことは充分に可能なのです。
私は海外経験がありますが、英語力の伸びを最も実感したのが日本にいながら独学をしていた時期です。
その間励んでいた「独り言トレーニング」で、とりわけ効果を実感しました。
英語環境は自分で作りだせるのです。
話し相手がいなくてもできる
独り言トレーニング最大の利点が、「ひとりで完結する」という点です。
独り言なので当たり前と思われるかもしれませんが、これが結構重要なのです。
アウトプットをするためには英会話のできる相手がいるのが一番ですが、なかなか難しいですね。
特に初心者では相手を見つけるのが困難ですし、時間や場所の制約もあります。
ところが独り言であれば、様々な制約を受けずに好きなだけ話せます。
さらに、相手がいないことのメリットもあるのです。
たとえば
- 相手が口を挟まないので、好きなだけ話せる
- 相手の質問内容を自分で考えることができる
- 考える間言葉に詰まってしまっても、相手を待たせるわけではない
などです。
話し相手がいないことを悲観するよりも、上記のような「相手がいないメリット」を上手く活かすほうが有効的なのではないでしょうか。
いつでも、どこでも練習できる
自宅にいるときはもちろん
- 通勤通学中
- ショッピング中
- 待ち時間
など、いつでもどこでも練習ができるのが「独り言トレーニング」の強みです。
普段の生活のなかで目に付いたものを英語にしていくだけでも、シチュエーションに沿った英会話の練習になります。
はじめは周りの目が気になるかもしれませんが、徐々に気にならなくなってくるはずです。
英語を口に出すことに慣れる
スピーキングを上達させるためには、何よりもまず英語を口に出すことが大切。
ところが学校教育において、私たちが主に時間を費やしてきたのは
- 文法
- 単語
- 日本語 ⇔ 英語 の訳
などですね。
私たちは諸外国の学習者に比べ、英語を発話する量が絶対的に不足しています。
- 内容にこだわらず
- 間違いを気にせず
- 恥ずかしいという思い込みを捨てて
とにかく英語を発することにより、不足分を補っていきましょう。
英語を口に出すことが習慣になれば、「英語を話すこと」自体に慣れ、英語を話すのが特別なことではなくなってきます。
そのための練習法として、独り言以上に最適なものはないのではないでしょうか。
恥ずかしがらない
はじめは「英語を話している自分」に違和感を感じ、恥ずかしさを感じるはずです。
それでも所詮は独り言。
話を聞いているのは自分ひとりなので、恥ずかしいという気持ちは忘れましょう。
慣れてくれば街中でもトレーニングができるようになります。
私はまだまだ小心者なので、周りに人がいないことを確認してから開始しますが…。
間違いを気にしない
独りで話す英語を聞いているのは自分ひとりなので、間違いは気にせずどんどん話していきましょう。
たとえ上手く表現できずに悔しい思いをしたとしても、独り言の段階で気付けたことはラッキーです。
「言いたいけど上手く言えなかった」表現を学習できる機会として捉えましょう。
「言いたいけど言えなかった」表現をメモしておき、後で調べる
独り言トレーニングによって最大限の学習効果を得るには、復習が不可欠です。
- 適切な単語が思い浮かばなかった
- うまく表現できなかった
- スムーズな英文作成ができなかった
といった内容を覚えておく、またはメモしておき復習しましょう。
この繰り返しによってフレーズや文法を新たに「実際に使える表現」として自分のなかにストックすることができるのです。
テーマを設定する
私が利用しているオンライン英会話ネイティブキャンプ では『5分間ディスカッション』という科目があるのですが、これが非常に効果的です。
「趣味」「友情」「テクノロジー」「変化」などあらかじめ100個のテーマが設定されており、そこから任意のものを選んで会話をします。
講師からはテーマに基づいた質問があるので、フリートークに比べて会話が途切れにくいのが特徴です。
オンライン英会話については下の記事で紹介しています。
独り言トレーニングのアウトプットの場として最適なので、ぜひチェックしてみてください。
このテーマ設定を、独り言トレーニングにも活用しましょう。
話すテーマを設定し、日々変化を加えることで、毎回同じような内容を話すのを防げます。
たまにはあえて専門外のテーマを選んでみたり、「LGBT」「人種差別」「宗教」など、社会問題について自分の考えをまとめたりといったトレーニングをするのも有効的でしょう。
英語の独り言トレーニング方法やコツについて紹介してきました。
お伝えしてきた通り、独り言トレーニングはスピーキング力を伸ばす最適な学習法です。
スピーキングを伸ばす最大の秘訣、それは間違いを恐れず、学んだことをどんどん使って練習すること。
実際に口に出した表現のみ、体に染み込ませることができるのです。
私たちは学校教育で、さまざまな単語や文法をインプットしてきました。
しかし、いくら頭の中にたくさんの知識が詰まっていても、使わなければ自分のものにはなりません。
まずは「口に出してみる」ことが次のステップに繋がりますので、独り言を通してそれを実践し、実際の会話の中で積極的に使ってみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました!