ネイティブの話す内容を聞いてると、get とか come とかの簡単な動詞ばかりを頻繁に使っていることに気がついたよ。
ぼくらが難しい単語を頑張って覚えているのはあまり意味ないのかなぁ?
良いところに気がつきましたね。
実のところ、「日本人は難しい単語ばかり使おうとする」といった意見や、「英会話はもっと簡単な単語だけでできる」といった点がよく専門家から指摘されています。
そして簡単な単語を組み合わせた表現として重要になってくるのが句動詞です。
句動詞? 聞いたことないなぁ。
でも簡単な単語の組み合わせだったら、覚えるのも早いかもね!
そうですね。
句動詞を多く覚えることで、ネイティブのような自然な表現が身につきます。
今回は句動詞とはどういうもので、どのように覚えると良いのか。
そして便利な句動詞のフレーズを紹介いたします!
- 句動詞を覚え、使いこなせるようになりたい
- 簡単な単語を組み合わせた表現を出来るようになりたい
- ネイティブのような自然な表現を身につけたい
もくじ
聞き慣れない『句動詞』という言葉ですが、これは英語のPhrasal Verb を日本語訳したもので、『群動詞』とも呼ばれるようです。
句動詞とは
複数の単語が組み合わさって、ひとつの動詞であるかのように扱われるフレーズ
のことを言います。
動詞+副詞 か 動詞+前置詞、または 動詞+副詞+前置詞
によって構成され、まとまってひとつの動詞のように機能します。
と、説明文を読んでもいまいちピンとこないかもしれませんね。
ところがあなたも、知らず知らずのうちに句動詞を使ったことがあるはずです。
たとえば、
- get up (起き上がる)
- stand up (立ち上がる)
- give up (あきらめる)
などは全て句動詞です。
逆に、
- take care of (世話をする)
- get rid of (取り除く)
- fed up with (〜にうんざりしている)
などは、構成する単語が前置詞・副詞ではないものも含んでいるため、句動詞には分類されません(care, fed が形容詞、rid が動詞)。
日本人の英語力について、しばしば「句動詞に弱い」と評されます。
その理由として挙げられるのが、学校教育における下記問題点です。
- 日常的なコミュニケーション英会話よりも文法知識に比重を置いている
- それぞれの単語の日本語訳を1対1で覚えることに始終し、教師も句動詞学習の指導に十分な時間を割いていない
ネイティブの英会話には、句動詞が頻出します。
句動詞を覚えることは「伝えたいことを自由自在に表現できる」英会話を身につけるために、避けて通れない道となりますね。
イディオムとなにが違うの?
句動詞は熟語の仲間ではありますが、イディオムとはまた別物です。
イディオムは主に動詞+名詞で形成され、構成する単語は「イディオムの全体の意味と全く関係ない」という場合が多いです。
たとえば
- spill the beans(直訳:豆をこぼす)= 秘密を言ってしまう
- ring the bell (直訳:ベルを鳴らす)=ピンとくる
- when pigs fly (直訳:ブタが空を飛んだとき)=絶対に起こり得ない
などのイディオムは、直訳を見ただけでは意味と結びつきません。
イディオムについては下の記事で詳しく紹介していますので、参考にしてみてください。
句動詞を使える機会、目にする機会がたくさんあるのが一番の利点です。
カジュアルな会話をするときだけではなく
- ビジネスでの英会話
- 小説や新聞などを読むとき
- 友達とメールをするとき
など、様々な場面で句動詞を見つけられるはずです。
それほど句動詞はネイティブの会話に欠かせない表現となっており、しっかりと時間を取って覚える価値があるものと言えます。
また句動詞は、一般的にはカジュアルな性格を持ちます。
したがって、フォーマルな言葉使いが必要とされる場面では句動詞よりもフォーマルな一般動詞を使うことが望ましい場合もあります。
たとえば “go on” に替えて “continue” や “pursue” など。
場面に応じて使い分ける工夫をネイティブは考慮している点を、頭に入れておきましょう。
ふたつめの利点として句動詞は、簡単な単語で構成されていることが挙げられます。
- go on (続ける)
- put in (時間を費やす)
- come across (偶然出会う)
など、どれも中学で習う英単語で構成されています。
そのぶん似たようなフレーズが多いため覚えるのは大変かもしれませんが、しっかり覚えることであなたの英語の表現力が確実にアップしますし、理解度もグッと深まるでしょう。
同じ動詞を使ったフレーズをまとめて覚える
句動詞を覚えるときには、同じ動詞を使ったものを集めてみると覚えやすいのではないでしょうか。
たとえば ”get” を使った句動詞だと
- get up (起き上がる)
- get on (乗る)
- get over (乗り越える)
- get back (戻る)
など、様々な表現があります。
海外ドラマや映画で気になった表現をメモする
海外ドラマや映画の会話に注意して聞いてみると、ここでも句動詞が頻繁に使われていることに気付くはずです。
同じ句動詞でも複数の意味をもつ場合があるので、
- どのような場面で
- どのような意図で
そのフレーズが使われていたのかを、メモしておくと良いでしょう。
覚えた句動詞はとにかく使ってみる
覚えたフレーズを実際の英会話ですぐに使いやすいのも、句動詞の利点です。
外国人の友達と話すとき、メールするときなど、積極的に覚えた句動詞を使ってみましょう。
身近に外国人がいなくても問題ありません。
オンライン英会話でのレッスンや、英語の日記などを書くときでも大丈夫です。
とにかく積極的に使ってみましょう。
それでは日常英会話で役立つ句動詞のフレーズを紹介します。
実際にあなたが使う場面を想像しながら、例文を発声してみましょう。
I’m looking forward to starting my new project soon.
新しいプロジェクトを始めるのを楽しみにしています。
日常生活で頻出の句動詞です。
to のあとには必ず名詞が続くので、動詞を使いたい場合には『~ing』と動名詞のかたちに直してください。
たとえば「会うのを楽しみにしてる」と言いたいときは「looking forward to seeing you」となります。
Is he your son? He really takes after you!
彼があなたの息子? 本当によく似てるね!
「~に似ている」という意味ですが、必ず「(親や親族に)似ている」という使い方になります。
ルックスだけではなく、性格や話し方が似ている場合にも使われます。
Why don’t you drop by sometime.
いつか私の家に寄ってくださいよ。
I came across John in the restaurant after work.
仕事の後レストランでジョンに偶然出くわした。
「人に偶然出くわす」という意味で、「run into ~」や「bump into ~」と言い換えもできます。
come across as 〜 という句動詞もあり、こちらは「~という印象を与える」の意味になります。
When I first met you, you came across as an honest person.
初めて会った時、あなたは正直な人だと思った。
I just came up with a great idea.
ちょうど名案が思いついた。
Do you wanna come along?
あなたは一緒に来ない?
カジュアルな表現なので、ほとんど口語でのみ使われます。
That story really freaked him out.
その話は彼を本当に怖がらせた。
海外ドラマでよく耳にする表現。
“freak(~)out” と、間に人を入れることで「~を怖がらせる」という意味になります。
I can’t get by on such a low salary!
こんな低い給料じゃやっていけないよ!
「少ない生活費で、ギリギリ生活している」というニュアンスになります。
I’m glad you two are getting along well now.
君たち2人がうまくいっているのは嬉しいよ。
友人や恋人の関係において「仲良くする」「うまくいく」という意味を表します。
You need to use this key to get into the building.
建物に入るためにはこの鍵を使う必要がある。
建物以外にも
- get into university 大学に入る
- get into the car 車に乗る
といった意味でも使われる、便利なフレーズです。
I kicked my husband out because he cheated on me.
旦那が浮気したので、私は彼を家から追い出した。
「誰かを家などから蹴っ飛ばす」イメージから派生した句動詞です。
家から追い出すだけでなく、「退学させる」・「クビにする」という意味としても使われます。
Do you wanna hang out tonight?
今夜一緒に遊ばない?
「遊ぶ」という表現は ”play” が思いつくかもしれませんが、
play には「子供の遊び」というニュアンスが含まれます。
飲みに行く、デートに行くなどの「大人の遊び」を表現する場合にはこちらの方がより自然です。
Let’s forget about her and it’s time to move on!
彼女のことは忘れて、そろそろ前に進むときだよ!
恋愛のシチュエーションで使われることが多い句動詞です。
「元の恋人のことを忘れて次の相手を探す」という意味での「前にすすむ」ニュアンスを表します。
I can’t put up with this noise!
この騒音に耐えられない!
We have run out of toilet paper.
トイレットペーパーがなくなりました。
I can’t figure out how to turn on my new laptop.
新しいPCの電源の入れ方が分からない。
I don’t know what the problem is, but I’ll look into it.
問題はよく分かりませんが、調べておきます。
She fell for a man she met at work.
彼女は職場で会った男の人を好きになった。
こちらの表現は下の記事でも紹介しています。
よろしければ合わせてチェックしてみてください。
We need to catch up with each other. I have so much news to tell you!
そろそろ情報交換しないとね。話したいニュースがたくさんあるよ!
Don’t forget to lock up before you go out!
出掛ける前に鍵をかけるのを忘れないで!
「鍵をかける」という意味のほかに、「刑務所(牢屋)に入れる」という意味もあります。
The police should lock the man up.
警察はその男を刑務所に入れた方が良い。
今回は句動詞についてご説明しました。うまく覚えていけそうでしょうか。
単語自体は難しいものがなくても、数が多いので使いこなせるようになるまで練習が必要かもしれませんね。
実際に使っているイメージを思い浮かべながら発声をすることで、記憶に定着しやすくなります。
日常会話で使いやすい表現ばかりですので、何度も口に出して実践しながら覚えていくことをおすすめします。
句動詞は、シンプルな表現が多く自然な響きがあります。
使う場面とフレーズを少しずつ一致させて、ネイティブたちの自然な英会話に近づけるように頑張っていきましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました!