英語の長文を見ると、めまいがするんだ。
読んでいても途中で何度も止まってしまったり、気が散ってしまったりで時間がかかる…。
何か良い対策があれば教えてほしいな。
英語の長文を見ると「ウッ」となる気持ち、とても分かります。
私も苦手でした。
それでもある程度コツをおさえて練習していけば、苦手を得意に変えることは可能です。
長い英文もつまずくことなくスムーズに読むことができるようになります。
今回はそのコツをお伝えしていきますね!
- 英語の長文を読んでいると何度もつっかえてしまう
- 英語長文読解の効率的な練習方法を知りたい
- TOEICの長文パート(part7)が苦手
- スムーズに読む、長文読解のコツがあれば知りたい
もくじ
英語の長文をスラスラと読むためには、いくつかのコツと練習が必要です。
まずは長文読解の7つのコツについてお伝えしますね。
1. ブロックに分けて読む(スラッシュリーディング)
スラッシュリーディングとは、間に /(スラッシュ)を入れて読む長文読解の方法です。
もともと同時通訳者が英語を瞬時に理解するために使っていた技術が、一般的になりました。
たとえば、
There are several factors to consider as you decide when to schedule your move.
という文章。通常どおり日本語訳するのなら
引っ越しをいつ予定するかを決める前に、いくつかの検討すべき要素があります。
となります。それを
There are several factors to consider / as you decide / when to schedule your move.
いくつかの検討すべき要素があります。/ あなたが決める前に / 引っ越しをいつに予定するのかを
と、文の間にスラッシュを入れ、ブロック分けをしながら語順のとおりに前から理解していくのです。
これをスラッシュリーディングと呼びます。
はじめの訳のほうが自然で良いように思われますが、英語を学習する上で効率的なのが後者です。
語順を入れかえて訳す時間と労力が省けますし、実際の英語の読み方と同じ順番で理解ができるからです。
このように、英語を英語の語順のまま理解するのがスラッシュリーディングの目的です。
はじめは難しいと思いますが、練習を重ねることで身についてきます。
2. 各段落の重要な部分を読み取る
英語の長文は基本的に、ひとつの段落にはひとつの話題で構成されます。
たとえば下の文を見てください。
段落ごとに大まかな話題がひとつずつ展開されているのが分かるかと思います。
逆に言うと「話題が変わる時には段落を変えたほうが良い」というルールがあるからです。
これにより長文でも区切りを意識できますね。
また、英語は日本語と違って結論を最初に述べる言語です。
したがって各段落の要点は、各段落の最初の文で述べられることがほとんどです。
各段落の最初のほうに着目すれば、『その段落ではどんな話題が話されているのか』が分かるというわけです。
ネット記事や口語を書き起こした文よりも、TOEICの出題や論文などフォーマルな文でこれらの傾向はよくみられます。
このコツを知っているだけで、少しは長文を読む時のストレスを軽くできる気がしませんか?
3. 英語を語順のまま読み取る
冒頭でお伝えしたスラッシュリーディングを活用し、英語を左から右へ、英語の語順のまま読み進めていきましょう。
いちいち英語を日本語に直して読むのは、時間と労力がかかります。
英語をイメージとして捉え、英語の語順のまま前から読んでいくことを意識しましょう。
最初は意味を捉えながら読むのが難しいはずですが、練習を重ねることで徐々に慣れてきます。
4. 話の趣旨が変わるディスコースマーカーに注目する
長文読解において重要になるのが、ディスコースマーカーです。
ディスコースマーカーとは、論理の展開をしていく上での目印になるような役割をもつ単語や句のことを言います。
以下に代表的な役割を挙げます。
追加 | and(~と), besides (〜に加えて)など |
要約 | in other words(言い換えれば), in short(要するに)など |
例示 | For example, Let’s say (たとえば) など |
逆説 | but, however(しかし)など |
結果 | therefore(したがって), as a result (その結果)など |
など、話の流れを変える役割を担うのがディスコースマーカーです。
なかでも特に注目すべきなのが、『逆説の』ディスコースマーカー。
この単語句が入ることで、『今まで述べていた内容と逆のことを言います』という目印になるのです。
逆説のディスコースマーカーには
- but しかし
- however しかしながら
- nevertheless にもかかわらず
- instead そうではなく
などがあります。たとえば
I studied hard but, couldn’t pass the exam. 一生懸命勉強したが、試験に受からなかった。
といった文です。
この語句を見つけたら、「これから今までとは逆のことを言うんだ」という心構えで読むことができ、これからの内容をある程度予測することができます。
この『内容を予測できる』という部分が、長文読解にとって非常に重要なポイントになってくるのです。
覚えておいてくださいね。
5. 文のはじめに注目する
『英語は結論を先に述べる』というのは各段落だけでなく、それぞれの文でも同じことが言えます。
基本的にはじめの3語 【S(主語)+ V(動詞)+ O (目的語)】を読めば、その文で言いたいことはほとんど理解できているはずだからです。
文の先頭に重点を置き、メリハリをつけて読み進めるようにしましょう。
6. 分からない単語があっても止まらない
長文を読んでいて知らない単語に出会ってもストップせず、読み進めるようにしましょう。
前後の文脈から単語の意味を推測できるようになることが大切だからです。
文を読んでいる間はなるべく辞書は使わず、『その単語が分からないと文全体の意味が分からない』という場合にのみ後から調べるようにしましょう。
7. 先に問題を読む
TOEICパート7などの読解問題では、問題文と選択肢をチェックし、出題のポイントとなる内容を先に把握しておきましょう。
重要になる文を重点的に、そうでない文はサッと目を通す程度と緩急をつけて読むことができるからです。
どこが重要なのか分からない状態で長文を読み進めると、集中力や労力を消費してしまいます。
先ほど『ディスコースマーカー』の項目で述べた「内容をある程度予測する」というコツも使い、読み方に緩急をつけるように心掛けましょう。
英語長文をスラスラと読むためのコツについてお伝えしてきました。
では英語長文の読解が得意になるための練習方法はどのようなものがあるのかについて、お伝えしていきます。
語彙力・文法の基礎をかためる
中学レベルまでの単語と文法はしっかりと理解を深めておきましょう。
分からない単語がある度に止まっていては、スムーズな読み方が難しいからです。
また文法の基礎(語順)についても頭に入れておきましょう。
下の記事では単語・文法(語順)について詳しく説明していますので参考にしてみてください。
『英語に触れているのが普通』という環境をつくる
普段から英語に触れることで、英語環境に身を置きましょう。
英語を語順のまま理解するためには、英語からイメージを直接連想する練習が必要となります。
海外ドラマや映画をつかって日常的に学習することで、英語とイメージが直接つながってくるのです。
下の記事では海外ドラマ・映画を使用した英語学習法について紹介しています。
当サイト人気記事ですのでぜひチェックしてみてください。
多読の練習をする
たくさんの英文を読むことは、効果的な学習法となります。
かの夏目漱石も、『現在読書法』という著書で下記のように語っています。
英語を修むる青年はある程度まで修めたら辞書を引かないで無茶苦茶に英書を沢山読むがよい、少し解らない節があって其処は飛ばして読んでいってもドシドシと読書していくと終いには解るようになる。
夏目漱石『現代読書法』より抜粋
多読の注意点として、自分のレベルにあった文章を読むようにしましょう。
最初はなるべく簡単な本を選ぶことが大切です。
ザッと目を通し、分からない単語が5%以下の文書を選びましょう。
また、自分の興味のあるジャンルを選びましょう。
楽しみながら読み進めていくことが何よりも大切です。
音読する
長文を音読する練習は、非常に効果的です。
これは反復すれば反復するほど効果があるので、何度も繰り返し同じ文章を読んでみましょう。
語順通りに読む癖がつきますし、自分が発声した音を聞くことでリスニングの効果もあります。
また黙読するより英語が記憶に残りやすく、音読練習を繰り返すことで英文を読むスピードが早くなります。
英語長文読解の効率的な方法、そして練習方法をお伝えしました。
たくさんの英文にひるむ気持ちは分かりますが、「木を見て森を見ず」にならないように、ひとつずつ意味をとっていけば恐れることはないと気付けるはずです。
基礎をしっかり固めて、今回お伝えしたコツを意識しながら読むだけで、かなりリーディングや問題を解くスピードがアップするはずです。
練習を頑張っていきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました!