シャドーイングという英語学習の方法があるのを知ったよ。
なんでもリスニングにすごい効果があるみたい。
やり方とコツを知りたいな!
ぴよさん、学習方法についてよく調べていて偉いですね。
仰るとおり、シャドーイングは正しいやり方でやれば間違いなく効果的な学習法です。
本日はシャドーイングの効果と方法、教材選びのコツをご紹介いたします!
- シャドーイングとは何なのか、どういう効果があるのか知りたい
- シャドーイングを使った英語学習法に興味がある
- 短期間で効率的に英語を習得したい
もくじ
シャドーイングの効果は、リスニング力だけではないのです。
想像以上にたくさんの効果があるので紹介しますね。
1. 英語を理解するスピードが上がる
シャドーイングの練習を重ねると、音声を聴いて即座に意味を理解できるようになります。
私たちは音声を聞いた時、脳のなかのデータベースと照合して音声と意味をつなぎ合わせています。
たとえば日本語で『消しゴム』と聞いた時に、消しゴムのイメージが瞬時に浮かびますね。
英語を聞いた時にも、私たちの脳は同じ働きをしているのです。
ただし一般的に日本人は、英文を読めば理解できても音声を聞いただけではすぐに意味を理解できないことが多いですね。
その音声と意味をむすぶ回路を太くしてくれるのが、シャドーイングの役割となるのです。
回路が太くなることにより英語を英語のまま理解でき、英語の語順のとおりに前から理解できるようになります。
2. 発音が良くなる
シャドーイングの練習を重ねると、発音が良くなります。
なぜならネイティブのマネを繰り返すことにより、音の再現度が高くなるからです。
正確な発音を身につけた上でシャドーイングの反復練習を行えば、よりネイティブに近い発音が身につきます。
人間の特性として、自分で発音できない音は聞き取れないようになっています。
自分で発音できない音は、脳が音として認識してくれないというわけですね。
3. 英語独特のリズムやアクセントが身につく
ネイティブのマネをしながら発声を繰り返すことで、英語特有のリズム(音の強弱やリエゾン)やアクセントが体に染み込みます。
単語と単語が連続して発音され、切れ目がわからなくなることをリエゾンといいます。
英語は重要なところは強く発声し、あまり重要ではないところは弱く発声します。
基本的に抑揚なく話す日本語と大きく異なる点なので、慣れが必要ですね。
4. よく使うフレーズや言い回しを覚えられる
シャドーイングを繰り返し練習することで、頻出する表現やイディオムなどの言い回しを覚えることができます。
そのためにも、シャドーイングをする教材選びが重要になります。
日常的に使える単語やフレーズが含まれる教材を選ぶようにすると良いでしょう。
なるほど、シャドーイングには色んな効果があるんだね!
でもひげさん、ぼくは初心者だからシャドーイングのことを何も知らないんだ。
やり方を教えてほしいな。
そうですね。
使う教材によりますが、シャドーイングは初心者にも効果的な学習方法となります。
具体的な学習方法と、効率的に学習するコツについて紹介しますね。
シャドーイングとは
シャドーイングとは、音声の後0.5秒ほど遅れて、影のようについていきながら発声をするトレーニング方法です。
もともとは同時通訳者のためのトレーニング法でしたが、専門家のあいだでその高い効果が認められ、一般の英語学習者にも広がりました。
リズムや強弱を体で覚える練習法であり、聞いた音をスムーズに理解できるようになるためのトレーニング法と捉えましょう。
シャドーイングを使った英語学習の流れ
まずは音声を聞いてみて、どれくらい聞き取れて理解できるかを確認してみましょう。
スクリプトを読みながら、音声を聞きます。
音声のみで聞き取れなかったところや、意味が理解できなかったところに注意して何度か聞いてみましょう。
英文の内容に意識を集中し、意味を理解しながらシャドーイングをします。
音声のスピードについていきながら、英文の意味がスッと頭に入ってくるようになるまで繰り返し練習しましょう。
90%ほどをしっかり発音できるようになるまで繰り返し練習しましょう。
最終的に「誰かに話すのと同じ感覚で」シャドーイングできるようになることがゴールです。
シャドーイングを使った英語学習のコツ
シャドーイング練習のはじめのうちは思っていた以上に疲れるはずです。
私が初めてシャドーイングをした時には、過呼吸気味になったのを覚えています 笑
シャドーイングは耳と口、そして脳を想像以上に使うトレーニング法です。
無理をせず、筋トレをするように徐々に体に慣れさせていきましょう。
中途半端ではなく、話者の発音・リズム・アクセントをすべて真似するように声に出してみましょう。
恥ずかしがる必要はありません。
最初はブツブツ言うくらいでも良いですが、最終的にははっきりと発声できるようになるまで練習しましょう。
音を聞き取れるようになるだけでなく、『内容を理解すること』がリスニングの本質です。
意味を考えながら、理解できていることを確認しながらシャドーイングを行いましょう。
英文を見ながら意味に集中してシャドーイングしていても頭に入ってこない場合には、いったん音声を止め、スクリプトを音読してみましょう。
スピードについていく負荷がなくなることで、意味を考えることに集中できます。
内容の理解に集中しながらシャドーイングをしている時には、発音について注意する必要はありません。
マルチタスクは負荷が大きく、二兎を追うものは…になってしまうからです。
逆に「発音を良くしたい」という目的でシャドーイングをする時には、意味について意識しないようにしましょう。
シャドーイングを練習する際には、イヤホン・ヘッドホンを使うと良いでしょう。
周りの雑音が消され、音声に集中しやすくなります。
自分の声も聞こえるように、片耳だけイヤホンを付けるのがおすすめです。
人間の脳は、自分で発音できない音は音として認識できないようになっています。
発音の基礎をしっかりと固めてからトレーニングを始めましょう。
初心者の場合、教材は難しすぎず、自分のレベルに合ったものを選ぶようにしましょう。
はじめて聞いても充分に聞き取れる英語、もしくは既に内容を理解できている英語音声を使用するのがおすすめですよ。
目安として、知らない単語が5%以下の教材が良いです。
シャドーイングを使ってどうなりたいかという目的をしっかり持ち、自分が使いたい表現が含まれる教材を選びましょう。
たとえば
といった選び方です。
中級者以上の場合は、TED Talks が教材としておすすめです!
人生を幸せにするのは何? 最も長期に渡る幸福の研究から(Robert Waldinger)
数あるTED Talks のなかでもこちらのプレゼンは、下記の特徴があります。
- 話すスピードが比較的ゆっくりで、ついていきやすい
- 難しい単語がほとんどなく、内容が理解しやすい
- テーマが『幸福な人生について』と普遍的なので、繰り返し視聴しても飽きない
- 穏やかなアメリカ英語で、発音も綺麗。聞いていて心地よい
と、シャドーイングに必要な要素がすべて合致しています。
まずはこちらの教材から始めてみてはいかがでしょうか。
シャドーイングの効果と学習方法についてお伝えしてきました。
リスニング能力だけでなく様々な効果のあるトレーニング法ですが、一定時間の訓練を毎日続けることが大切です。
すぐに効果が出るものではなく、数ヶ月間続けてようやくリスニングの上達が見られるようになるもの。
始めたばかりの頃は思うようにいかずに苦しいかもしれませんが、成長する時に感じる痛みだと思いましょう。
英語を英語のままで理解できるようになるにつれ、トレーニングは楽になっていきます。
英語学習には様々なメソッドがありますが、そのメソッドが「どんな課題に対して」「なぜ」効くのかをしっかりと理解することは、学習効率とモチベーションを高めるうえでとても重要です。
ぜひ上記を理解したうえで、シャドーイングのトレーニングに励みましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました!