オンライン英会話をたまに利用するようになって、前より単語やフレーズを覚えるのが早くなった気がするんだ。
気のせいかなぁ。
いいえぴよさん、気のせいではありませんよ。
アウトプットの場があることで、インプットする効率が何倍も高くなる。
それは本当だと確信しています。
そうだよね。
前は英単語を覚えても実際に使える場面が思い浮かばなかったけど、今は「次回あの先生と話すときに使ってみよう!」とかイメージできるんだ。
素晴らしいポイントに気がつきましたね。
私たち英語学習者にとって、インプットとアウトプットの理想的なバランスとはどれくらいの比率なのでしょうか。
より効率的に目標へと近づくための、重要なヒントとなるはずです!
- インプットとアウトプットはどれくらいの比率で行えば良いのか知りたい
- より効率的に英語学習を進めたい
- アウトプットの方法を知りたい
もくじ
「英語はコミュニケーションの道具にすぎず、英語をつかって何をするかが大切」と、このサイトでもアウトプットの重要性を紹介してきました。
日本人が英語を話せないのは、アウトプットの練習が足りないからだとよく言われます。
とはいえ前提として、インプットしたものしかアウトプットはできません。
語学はブロックの積み上げのようなもの。
思いどおりに英語を話すためには
- 文法
- 単語
- 発音
- 状況に沿ったフレーズ
と、基礎から積み上げたブロックが必要です。
インプットというベースがなければ、アウトプットは思いどおりにできません。
それぞれどのように受け止めて、学習を進めれば良いのでしょうか。
インプットの重要性
アメリカの言語学者スティーブン・クラッシェンによる『インプット仮説(1970~80年代)』では、言語学習について下記のように結論付けています。
言語学習において最も大切なのは大量のインプットである
特に自分より少し上のレベルのインプットを繰り返し、理解したときに最も効率的な学習効果を得られると述べています。
こちらは現在でも言語習得において有効性が認められている仮説。
ただし現在の研究において、インプットは言語習得に「必要」であるが「充分」ではないとする考え方が主流となっています。
インプットだけではなく、アウトプットも言語習得に大きく影響すると考えられているのです。
アウトプットの重要性
そのインプット仮説に対し、同じくアメリカの言語学者メリル・スウェインが異議を唱えました。
彼が提唱したのが『アウトプット仮説(1985年)』です。
その中で彼は言語習得においてはインプットだけでは充分でなく、アウトプットも必要であると主張しました。
また、アメリカ国立訓練研究所が提示する『学習ピラミッド』というグラフがあります。
保持率 | 知識テスト前に行われた学習活動 |
90% | 他の人に教える |
75% | 学んだことを実践する |
50% | グループディスカッションに参加する |
30% | デモンストレーションを見る |
20% | 視聴覚体験 |
10% | 読書をする |
5% | 講義を聞く |
これは「どのような勉強をしたとき、知識がどれくらい定着したか」を表すもの。
結論として、受け身(インプット)で学習をしたときよりも積極的に発信(アウトプット)したときのほうが圧倒的に学習効率が良いことが分かりました。
理想的なインプット・アウトプットの比率とは
インプット・アウトプットそれぞれに重要性があり、どちらか一方では効率よく学習できません。
- 授業で習ったことを人に教える
- 暗記したフレーズをオンライン英会話で使ってみる
- リスニング学習をしたらシャドーイングをする
といったように、インプットとアウトプットをバランス良く鍛えていくのが大切だということです。
さて、結論が遅くなってしまいました。
「言語の上達に必要なのは大量のインプットと少量のアウトプット」であることが、言語学界の理論としては確立されています。
インプットとアウトプットの最適な割合はまだ解明されていませんが、およそ9:1が目安と考えられています。
けれども日本人の場合、「インプットはしているが、アウトプットの量が絶対的に足りていない」場合がかなり多いので、少し事情が異なるところもあります。
特にスピーキング力を伸ばすためには、6:4もしくは5:5 の割合で学習を進めて良いと思っています。
ぴよさんにとってオンライン英会話がアウトプットの方法であるように、私にとってこのサイト運営も同様です。
日常的に英会話の実践や発信をするようになり、大きく変わったことがあります。それは
インプットするときの効率が格段に良くなった
こと。
つまり新しい表現やフレーズを、今までよりも早く覚えられるようになったのです。
体感ですが、インプットのみの時と比べ5倍くらい効率的に覚えられている感覚があります。
これはなぜなのでしょうか。
考えてみたところ、以下3点の理由が挙げられます。
- フレーズを使う場面を具体的に思い浮かべられるから
- 「伝えたいこと」と「伝えられること」のギャップに気付けるから
- 本当に理解していないと、人に教えられないから
それぞれ詳しく見ていきましょう。
フレーズを使う場面を具体的に思い浮かべられるから
人は「アウトプットする場があると分かった上でインプットする」とき、
- より効率的に
- より効果的に
記憶に定着させることができるのではないでしょうか。
たとえば
「次回、あの先生に”How are you?” と聞かれたらこのフレーズで答えよう」
「前回上手く説明できなかった内容は、このフレーズを使えば良かったんだ」
など、インプットの最中にもアウトプットする場面を具体的に思い浮かべることができます。
知識をひたすらに詰め込んでばかりでは、一方通行になってしまいます。
人は見ただけ、聞いただけの知識よりも自分が口に出したことのほうが何倍も記憶に定着するのです。
「伝えたいこと」と「伝えられること」のギャップに気付けるから
Noticing function(気付き機能)という言語学界の用語があります。
学習者はアウトプットを繰り返すことで、
自分が伝えたいことと、自分の能力で伝えられることの間のギャップ
に気付くことができるというものです。
このギャップに気付くことで、ギャップを埋めるために
- 足りない部分を知る
- 不足した知識を補強す
- 新たな知識を得る
と、次のインプットへ向けた注意が相乗効果により促されるのです。
アウトプットの機会がないと、人は「自分に何が足りないか」に気付きにくいということですね。
たとえばオンライン英会話で
- 伝えたいことを上手く表現するフレーズが見つからなかった
- 一応説明できたけど、もっと適切な表現方法がある気がした
といった場面を覚えておき、復習することで次に生かすことができるのです。
教えることは最大の学びだから
先ほど紹介した『学習ピラミッド』で最も学習効率が良いとされたのが、「人に教えるとき」でした。
私は当サイトで、英語を教えているとは思っていません。
「英語を話せると、こんな楽しい世界が待っているよ」
「より理想的な自分に近づくには、こんな勉強法が良いよ」
というのを、イチ英語好きの立場から紹介しているにすぎません。
むしろ、私は皆さんから多くを教わっているのです。
昔から「教えることは最大の学び」と言いますね。
題材として取り上げるからには誰よりもその分野において詳しくなっておきたいと思いますし、そうあって然るべきだと思います。
このサイトで取り上げられそうなことに対し、常にアンテナを張っていることで多くの気付きを得ています。
なかなか機会がないかもしれませんが、勉強したことを誰かに教えてみましょう。
未熟でも構いません。
理由のない自信を武器に教える側にまわることができれば、加速度的な成長が約束されているのです。
英語学習におけるインプット・アウトプットとは具体的にどのようなものなのでしょうか。
ここでは紹介しきれない部分は、別記事にまとめてあります。
英語学習におけるインプット
四技能のうち「リスニング・リーディング」がインプットにあたります。
目や耳で英語に触れるときには、すべてインプットだと思ってください。
たとえば
・洋楽を聞く
・英語の本を読む
・英語でYouTubeを見る
・英語の文法書を読む
などが挙げられます。
インプット方法については下の記事で詳しく紹介しています。宜しければ参考にどうぞ。
英語学習におけるアウトプット
四技能のうち「スピーキング・ライティング」がアウトプットとなります。
「声に出す・書く」といった能動的に英語を発する作業がそれにあたります。
具体的には以下が例として挙げられます。
・英語の本を音読する
・英語で日記を書く
・映画のセリフでシャドーイングをする
・海外ドラマでディクテーションをする
・独り言を言う
・オンライン英会話
・海外旅行で英語を使ってみる
アウトプット方法については下の記事で詳しく紹介しています。宜しければ参考にされてください。
まとめ:インプットとアウトプットのバランスは英語学習にとって重要!
英語学習におけるインプット・アウトプットについて紹介してきました。
大切なのはバランスです。
インプットだけになってしまいがちなのが日本人の特徴ですし、インプット量がアウトプットの精度を左右します。
失敗を繰り返しながらも「何が悪かったのか」を意識し、再度インプットし直すというように循環させるのが重要です。
そして英語の習得には継続が必須。
辛いと思いながらではなかなか継続できません。
自分が楽しいと思える方法を、インプットやアウトプットに取り込みましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました!
たくさん勉強になりました!
ありがとうございます! 励みになります^^